骨折から9か月――「過去10年唯一」の数字を持つ素質馬ソラネルマンが帰ってくる

今後に注目すべき馬

驚異の数字を残した素質馬が、再びターフへ帰ってくる。

明日の東京競馬場。

3歳以上1勝クラスに、一頭の3歳馬が久しぶりに姿を現す。

その名は――ソラネルマン。

今年1月の京成杯では1番人気に支持され、重賞の舞台でも3着。勝ち馬との差は、わずか0秒2だった。

しかし、その後に待っていたのは「骨折」。

期待を集めていた3歳春の大舞台へ向かうことはできず、そこから約9か月もの間、実戦から遠ざかることになった。

今回は骨折からの復帰初戦。

当然、いきなり以前と同じパフォーマンスを見せられる保証はない。

それでも、復帰を楽しみにしたくなる理由がある。

ソラネルマンは骨折する以前、東京競馬場で非常に興味深い「数字」を残していたからだ。

京成杯1番人気に支持された素質馬

ソラネルマンが今年1月に挑戦したのが、中山芝2000mで行われるGIII・京成杯。

クラシックを目指す3歳馬たちが集まる一戦で、ソラネルマンは1番人気に支持された。

結果は3着。

勝利には届かなかったものの、勝ち馬との差はわずか0秒2。

重賞初挑戦ながら大きく崩れることなく、世代上位を相手に能力の一端を示したレースだった。

当然、この先のクラシック戦線での活躍を期待したくなる内容だった。

しかし、その後に骨折が判明。

春の大舞台へ向かうことは叶わず、長期休養を余儀なくされた。

そして今回。

約9か月という時間を経て、ようやく実戦の舞台へ帰ってくる。

東京芝2000mで見せた「33秒2」

ソラネルマンについて、今回改めて注目したのが昨年11月に東京芝2000mで行われた2歳未勝利戦だった。

このレースでソラネルマンはスタートから先頭へ。

道中は逃げる形で、自らレースを作っていく。

そして、そのまま先頭で最後の直線へ向かった。

ここからが非常に興味深い。

残り600mからソラネルマンが刻んだラップは、

11秒2-10秒8-11秒2。

上がり3ハロンは――

33秒2。

しかも、この日の馬場状態は稍重だった。

良馬場の高速決着で記録した数字ではない。

稍重の東京芝2000mで、自ら先頭に立ってレースを作りながら、最後の600mを33秒2でまとめている。

特に目を引くのが、残り400mから200mの区間で記録した10秒8。

逃げる形でレースを進めながら、直線でこれだけ鋭く加速したことは、ソラネルマンの持つスピード能力を考えるうえで非常に興味深い材料だ。

過去10年の2歳芝2000m戦と比較

では、このレース内容は過去の2歳馬と比較して、どの程度のものだったのか。

そこで今回は、過去10年に行われた2歳馬による芝2000m戦を対象に調べてみた。

設定した条件は二つ。

勝ち時計2分00秒0以内。

そして、

後半1000m58秒4以内。

単純に勝ち時計が速いだけではなく、レース後半にも高いスピードを要求されたレースを対象にした条件だ。

この両方を満たした馬を調べていくと、興味深い名前が浮かび上がった。

その一頭が――

ミュージアムマイル。

後にG1を制することになる実力馬だ。

さらに、

キングズレイン。

こちらも後にホープフルステークスで3着に入るなど、重賞戦線で能力を示した。

つまり、この条件をクリアしていた馬の中には、その後の重賞・G1戦線で活躍した馬たちが含まれていた。

「稍重」で条件を突破したのはソラネルマンだけ

そして――

ソラネルマン。

昨年11月の東京芝2000mで、

「勝ち時計2分00秒0以内」

「後半1000m58秒4以内」

という今回設定した二つの条件をクリアしている。

さらに興味深いのが馬場状態だ。

今回調べた過去10年の範囲では、稍重馬場でこの条件に該当したのはソラネルマンだけだった。

もちろん、これだけで将来の重賞制覇やG1での活躍が約束されるわけではない。

競馬では、馬場状態や展開、レース全体の流れなど、さまざまな要素が時計やラップに影響する。

しかし、少なくとも2歳時点でソラネルマンが残した数字が、非常に興味深い水準だったことは確かだろう。

京成杯で1番人気に支持されたのも、単なる期待だけではなかった。

それ以前のレースで、素質を感じさせるだけの走りをすでに見せていたのである。

復帰戦の舞台は東京芝1800m

そして今回、約9か月ぶりの復帰戦となる舞台は――

東京芝1800m。

この条件も、ソラネルマンにとって非常に興味深い。

父はフィエールマン。

ディープインパクト産駒として現役時代には菊花賞、天皇賞・春などを制したG1馬だ。

そして母はソシアルクラブ。

その母――つまりソラネルマンの母母にあたるのが、名牝ブエナビスタである。

ブエナビスタといえば、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークス、天皇賞・秋、ジャパンカップなどを制した歴史的名牝。

特に印象的だったのが、直線で見せた強烈な末脚だった。

東京競馬場の長い直線でも、その能力を存分に発揮している。

その母系に、ディープインパクトの血を引くフィエールマン。

そしてソラネルマン自身も、すでに東京競馬場で上がり33秒2という数字を記録している。

今回の東京芝1800mという舞台で、どのような走りを見せるのか。

血統だけで判断することはできないが、少なくともソラネルマンが持つ末脚を再び確認するには、非常に興味深い舞台となりそうだ。

最大のポイントは「9か月ぶり」

ただし、今回については忘れてはいけないポイントがある。

約9か月ぶりの実戦であること。

そして、

骨折からの復帰初戦であること。

これは決して小さな材料ではない。

能力が高い馬であっても、長期休養明けでいきなり100%のパフォーマンスを発揮できるとは限らない。

まして今回は、単なる休養ではなく骨折からの復帰戦。

レース勘、仕上がり、実戦での反応など、走ってみなければ分からない部分は少なくない。

さらにソラネルマン自身、まだキャリアの浅い3歳馬。

成長している可能性がある一方で、骨折前と現在でどの程度状態が変化しているのかも未知数だ。

そのため今回の一戦を、過去の数字だけを理由に簡単に判断することはできない。

むしろ個人的に注目したいのは「勝つか負けるか」だけではない。

直線でどのような反応を見せるのか。

骨折前に見せていた鋭い加速力が残っているのか。

そして、今後さらに上のクラスを目指せるだけの走りを見せるのか。

その内容に注目したい。

あの末脚は蘇るのか

昨年11月。

稍重の東京芝2000m。

自ら先頭に立ち、レースを作りながら――

11秒2-10秒8-11秒2。

上がり3ハロン――

33秒2。

さらに過去10年の2歳芝2000m戦を調べた今回の条件、

「勝ち時計2分00秒0以内」

そして、

「後半1000m58秒4以内」

をクリア。

今回調べた範囲では、稍重馬場で条件を満たした唯一の存在だった。

その後は京成杯で1番人気に支持され、勝ち馬から0秒2差の3着。

順調であれば、そのままクラシック戦線へ向かっていても不思議ではなかった。

しかし――骨折。

そこから約9か月。

長い時間を経て、ソラネルマンがようやく東京競馬場へ帰ってくる。

もちろん、復帰初戦から以前と同じ走りを期待するのは簡単ではない。

それでも――

骨折する前に残した、あの数字。

重賞で見せた、あの走り。

そして東京の直線で見せた、33秒2の末脚。

その素質が失われていなければ――

明日の東京で再び、あの末脚が蘇るかもしれない。

ソラネルマン。

約9か月ぶりとなる復帰戦。

まずは無事に。

そしてその先に、再び重賞の舞台へ向かう姿を見ることができるのか。

注目したい。

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