今週日曜日、京都競馬場の9レースで行われる大原ステークス。
芝2000mを舞台に行われる3勝クラスの一戦に、個人的に非常に注目している3歳馬が出走します。
その名は――
ロードフィレール。
前走で見せたのは、ただの「逃げ切り勝ち」ではありませんでした。
芝2200mという決して短くない距離で、前半1000mを57秒6という猛烈なペースで通過。
それでも最後まで止まらず、後続の追撃を振り切ってレコード勝ち。
その数字を過去のレースと比較してみると、ロードフィレールが前走で見せた走りが、いかに特殊なものだったのかが見えてきます。
今回は、大原ステークスに出走するロードフィレールについて、前走・阿賀野川特別で残した数字を中心に振り返っていきます。
前半1000m「57秒6」

注目したのは、今年8月。
新潟芝2200mで行われた阿賀野川特別です。
ロードフィレールはスタートから積極的に前へ出ると、そのまま先頭へ。
レースの主導権を握り、後続を引き連れる形で逃げていきます。
ここまでは、逃げ馬のレースとして特別珍しいものではありません。
しかし、驚かされたのはそのペースでした。
前半1000mの通過は――
57秒6。
芝2200mという距離を考えれば、かなり速いペースです。
しかも重要なのは、ロードフィレール自身が先頭に立ち、この流れを作り出していたということ。
誰かが飛ばした展開を後方から追走していたわけではありません。
自ら57秒6というペースを刻み、2200mを押し切ろうとした。
ここに、このレースの大きな価値があると考えています。
「57秒6」はどれほど異例だったのか

では、この数字はどれほど珍しいものだったのでしょうか。
そこで今回、平成以降に行われた芝2200mのレースを対象に、
「前半5ハロン58秒6以内」
さらに、
「逃げ」
という条件で該当馬を調べてみました。
すると、今回のロードフィレール以外で該当した中には、日本競馬史にその名を残す2頭の逃げ馬がいました。
サイレンススズカ。
そして、
タップダンスシチー。
もちろん、ここは誤解のないようにしておきたいところです。
この数字だけを見て、「ロードフィレールはサイレンススズカやタップダンスシチーと同じ能力を持っている」という話ではありません。
時代も違えば、競馬場も違う。
馬場状態、展開、レースレベルも異なります。
単純に時計だけを横に並べて能力を比較することはできません。
それでも、2200mという距離でこれほど速いペースを自ら作りながら逃げたという事実は、非常に興味深いものです。
ロードフィレールの阿賀野川特別が、一般的な2200m戦とは明らかに違う展開だったことを示す一つの材料にはなるでしょう。
速かっただけではない
そして、ロードフィレールの前走で本当に驚かされたのはここからです。
前半1000m――
57秒6。
これだけ速いペースで逃げれば、普通に考えれば後半は苦しくなります。
ましてや距離は2200m。
序盤から脚を使った逃げ馬が最後の直線で失速し、後方で脚を温存していた馬に捕まる。
そうした展開になっても不思議ではありません。
ところが、ロードフィレールは止まりませんでした。
直線に入っても先頭。
後続が迫ってきても粘り続けます。
そしてラスト2ハロンは、
11秒3―11秒5。
前半でこれだけ飛ばしておきながら、最後まで大きく失速することなく走り切ったのです。
最終的な勝ち時計は――
2分09秒3。
レコードタイム。
ロードフィレールは、自ら厳しい流れを作り、そのまま最後まで先頭を譲らず逃げ切りました。
単純に「前半57秒6だった」というだけなら、ハイペースで飛ばした逃げ馬として終わります。
しかし、そのペースで入りながら最後まで止まらず、勝利まで持っていった。
ここが、この馬の前走を評価したい最大のポイントです。
2着ブラックオリンピアも次走で勝利
さらに、この阿賀野川特別の価値を後になって高めた馬がいます。
ロードフィレールを追いかけ、1馬身3/4差の2着に敗れた――
ブラックオリンピア。
この馬についても、以前取り上げました。
ブラックオリンピアはその後、阪神芝2400mで行われた兵庫特別に出走。
そこで勝利しています。
つまりロードフィレールは、次走で再び勝ち上がるだけの力を持っていた馬を相手に、前半1000m57秒6という厳しい流れを自ら作り、そのまま最後まで捕まらなかったことになります。
もちろん、競馬では一戦ごとに条件が違います。
ブラックオリンピアが次走を勝ったからといって、それだけで阿賀野川特別のレベルを断定することはできません。
それでも、当時2着だった馬が次走できっちり結果を残したことは、ロードフィレールの前走を評価するうえで一つの材料になるでしょう。
数字だけではなく、実際に戦った相手もその後に結果を出した。
だからこそ、あの逃げ切り勝ちには改めて注目したくなります。
今度は京都芝2000mへ
そして今週。
ロードフィレールが再びターフに姿を現します。
舞台は京都競馬場。
京都9レース――
大原ステークス。
今回は前走の2200mから200m短縮され、芝2000mが舞台となります。
そして今回は18頭立て。
ロードフィレールだけではなく、カリーニョ、ミスタージーティー、ローベルクランツなど、実力馬も出走を予定しています。
簡単なレースにはならないでしょう。
だからこそ、ここでロードフィレールがどのような競馬を見せるのか。
非常に楽しみです。
特に注目したいのは――
今回も逃げるのか。
前走は2200mで前半1000m57秒6。
今回は200mの距離短縮となる2000m戦です。
ただし、競馬場も新潟から京都へ変わり、メンバー構成も違います。
前走と同じような形になるとは限りません。
それでも、前走であれだけ強烈な逃げを見せた馬だけに、スタートからどの位置を取るのかは、このレースを見るうえで大きなポイントになりそうです。
再び「衝撃の逃げ」を見せるのか
ロードフィレールの前走を改めて振り返ると、やはり強烈です。
芝2200m。
前半1000m――57秒6。
ラスト2ハロン――11秒3―11秒5。
そして勝ち時計――2分09秒3。
レコードでの逃げ切り勝ち。
さらに、平成以降の芝2200mを「前半5ハロン58秒6以内」「逃げ」という条件で調べると、サイレンススズカやタップダンスシチーといった名馬の名前も出てきました。
繰り返しになりますが、これだけでロードフィレールを歴史的名馬と同列に評価することはできません。
しかし――
2200mでこれほど速いペースを刻みながら、最後まで逃げ切った。
この事実には、大きなインパクトがあります。
そして今回は3勝クラス。
ここを突破すれば、その先にはオープンクラスが見えてきます。
前走の阿賀野川特別が一度きりの特殊なレースだったのか。
それとも、ロードフィレール自身が持つ能力によって生み出された走りだったのか。
今回の大原ステークスは、それを確かめる意味でも興味深い一戦になりそうです。
果たして――
今回もロードフィレールは逃げるのか。
そして再び、
あの衝撃の逃げを見せるのか。
日曜日。
京都9レース――
大原ステークス。
ロードフィレールの走りに注目です。


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