【破格】平成以降わずか3頭…全馬が重賞馬になった衝撃ラップ|ロードフィレール

今後に注目すべき馬

平成以降、わずか3頭――。

今週土曜日の新潟競馬場。

平地では重賞競走が行われない、比較的静かな一日となる。

多くの競馬ファンの視線が翌日の重賞や注目レースへと向かう中、その新潟に、極めて興味深い記録を持つ3歳馬が出走する。

ロードフィレール。

ロードフィレール (Lord Filer) | 競走馬データ – netkeiba

出走するのは、土曜・新潟6Rの阿賀野川特別。

ここまでの戦績は5戦2勝。

まだ条件クラスを走る3歳馬であり、重賞で実績を残しているわけでもない。

しかし、前走でロードフィレールが記録した数字を過去の芝2000m戦と比較すると、その評価は大きく変わってくる。

なぜなら――。

ロードフィレールが前走で記録したラップと同等の数字を残して勝利した馬は、平成以降の芝2000m戦で極めて少ないからだ。

そして、ロードフィレール以前にその領域へ到達した3頭には、ある驚くべき共通点があった。

その3頭すべてが、のちの重賞ウイナーなのである。

前走・香嵐渓特別で見せた驚異の走り

その走りを見せたのが、前走の中京芝2000m・香嵐渓特別だった。

スタートを決めたロードフィレールは、迷うことなく先手を奪う。

そして自らレースを作りながら、前半800mを通過したタイムは――

49秒1。

もちろん、息を入れる余裕がまったくないほどのハイペースというわけではない。

しかし、逃げ馬が完全に脚を温存できるような極端なスローペースでもなかった。

一定のスピードを維持しながら、自ら先頭に立ってレースを引っ張っていく。

通常であれば、ここから逃げ馬がどこまで粘れるのか。

そういった展開になっても不思議ではない。

ところが、ロードフィレールの本当の凄さはここからだった。

残り800m。

逃げていたロードフィレールが、後続を待つどころか――

さらに加速する。

残り800mから刻まれたラップは、

11秒8―11秒1―10秒8―11秒3。

後半800mは――

45秒0。

特に目を引くのが、ラスト400mから200mで記録された10秒8という数字だ。

すでに前半から先頭に立ってレースを引っ張っている。

その状態から終盤に10秒台のラップまで加速し、最後まで大きく失速することなく11秒3でまとめた。

逃げ馬が後続に脚を使わせながら、自らも猛烈な加速を見せたのである。

結果、ロードフィレールは後続の追撃を封じて勝利。

上がり3Fは――

33秒2。

逃げながらこの上がりを記録したことを考えても、非常に高いパフォーマンスだったと言えるだろう。

「49秒1以内―45秒0以内」が意味するもの

そこで今回、ロードフィレールが記録した数字について、過去の芝2000m戦と比較してみた。

条件は、

前半800m 49秒1以内

そして、

後半800m 45秒0以内。

前半から一定以上のスピードで走りながら、終盤にはさらに大きく加速する。

この二つの条件を同時に満たして勝利した馬を、平成以降の日本の芝2000m戦で調べると――。

ロードフィレール以前に該当した馬は、

わずか3頭。

30年以上に及ぶ平成以降の競馬史を振り返っても、極めて珍しい数字だったのである。

さらに驚くべきなのは、その3頭の顔ぶれだ。

1頭目――トランスワープ

最初の一頭が、トランスワープ

条件戦から着実に力をつけ、2012年の函館記念を制覇。

さらに同年、新潟記念も勝利した。

夏の中距離戦線で一気に頭角を現し、重賞2勝を挙げた実力馬である。

特に芝2000mという舞台で高い能力を発揮した馬だけに、今回のロードフィレールとの比較においても非常に興味深い存在と言える。

2頭目――グロンディオーズ

続いて該当したのが、グロンディオーズ

キャリアを重ねながら力をつけ、のちにダイヤモンドステークスを制覇。

長距離重賞ではあるものの、高い持続力と末脚を武器に重賞タイトルまで到達した。

ロードフィレールと同じく、条件クラスを走っていた段階から優れた数字を記録していた一頭である。

3頭目――オースミグラスワン

そして3頭目が、オースミグラスワン

2006年の新潟大賞典を制すると、2008年にも同じ新潟大賞典を勝利。

同レースを二度制した実力馬である。

長く現役を続けながら芝中距離路線で活躍し、高い瞬発力を武器に重賞戦線で存在感を示した。

つまり――。

ロードフィレール以前に、

「前半800m49秒1以内」

かつ、

「後半800m45秒0以内」

という数字を記録して勝利した3頭は、

トランスワープ
グロンディオーズ
オースミグラスワン

そして、そのすべてが――

重賞ウイナーとなった。

これは非常に興味深いデータではないだろうか。

単なる「上がりの速さ」ではない

もちろん、過去の該当馬がすべて重賞馬だからといって、ロードフィレールにも重賞勝利が約束されているわけではない。

競馬において、過去のデータだけで将来を断定することはできない。

それでも、この数字には注目する価値があると考えている。

なぜなら、この記録は単純に「上がりが速かった馬」を抽出したものではないからだ。

ロードフィレールは前半800mを49秒1で通過している。

つまり、前半で極端にペースを落とし、十分に脚を温存した状態から瞬発力勝負に持ち込んだわけではない。

前半から一定のスピードで走る。

そして中盤でもレースをコントロールする。

そのうえで最後の800mを45秒0。

さらに、その途中では10秒8というラップまで刻んだ。

求められるのは単純な瞬発力だけではない。

スピード。

持続力。

そして――

瞬発力。

異なる能力を同じレースの中で高い次元で発揮しなければ、この数字にはなかなか到達できない。

だからこそ、過去の該当馬がすべて重賞まで勝ち上がっているという事実にも、一定の説得力を感じる。

勝ち時計1分58秒3、上がり33秒2

改めて前走の数字を振り返ってみよう。

ロードフィレールの勝ち時計は、

1分58秒3。

自身の上がり3Fは、

33秒2。

そしてレースでは逃げ切り勝ち。

後方で脚を溜めて33秒2を使ったわけではない。

スタートから先頭に立ち、自らペースを作り、後続の目標となりながら最後まで押し切っている。

まだキャリアは、わずか5戦。

現時点では条件馬である。

それでも過去の歴史が示している数字だけを見れば、その走りはすでに「条件馬」という枠を超え始めているのかもしれない。

血統から感じる、さらなる成長の可能性

そしてロードフィレールには、今後の成長という点でも楽しみがある。

父は――キズナ

キズナ産駒には3歳時だけではなく、キャリアを重ねながら力をつけ、古馬になってから高いパフォーマンスを発揮する馬も存在する。

ロードフィレール自身もまだ3歳。

完成された競走馬と考えるには早い時期だろう。

さらに母系にも注目したい。

母系はインディアナギャル一族

近親にはGⅠ馬ダノンプレミアムをはじめ、活躍馬が並ぶ。

ダノンプレミアムは2歳時から高い能力を発揮し、朝日杯フューチュリティステークスを制覇。

その後も芝の中距離路線で長くトップクラスの能力を示した。

ロードフィレールもまた、芝2000mで高いスピード能力と瞬発力を示している。

まだキャリア5戦ということを考えれば――

完成形は、まだ先なのかもしれない。

次走は新潟・阿賀野川特別

そんなロードフィレールが今週土曜日、再びターフへ姿を現す。

舞台は――

新潟6R・阿賀野川特別。

前走で見せたパフォーマンスが本物ならば、ここでも当然注目したい存在となる。

特に興味深いのは、新潟という舞台だ。

長い直線を持ち、瞬発力が問われる展開になることも多い新潟競馬場。

前走で10秒8というラップを刻んだロードフィレールが、その末脚を今回どのように発揮するのか。

前走同様に先手を奪うのか。

あるいは違う形の競馬を見せるのか。

今後、さらに上のクラスを目指していくのであれば、レース内容にも注目したいところだ。

4頭目は、どこまで行くのか――

平成以降の芝2000m戦。

前半800m49秒1以内。

そして、

後半800m45秒0以内。

この領域へ到達して勝利した馬は、ロードフィレールを含めてもわずか4頭。

そして――。

ロードフィレールより先にその数字を刻んだ3頭は、

すべて重賞馬へと駆け上がった。

トランスワープ。

グロンディオーズ。

オースミグラスワン。

過去の3頭が歩んだ道を、ロードフィレールも続くことができるのか。

もちろん、まだ答えは分からない。

しかし、だからこそ面白い。

まだ重賞を走っていない今だからこそ、その可能性を数字から追いかける価値がある。

キャリアは、わずか5戦。

3歳夏。

そして前走で見せた、破格とも言えるラップ。

4頭目は、どこまで行くのか――。

その答えを探す戦いが、今週土曜日に始まる。

ロードフィレール。

土曜・新潟6R、阿賀野川特別。

ここが単なる条件戦の一戦となるのか。

それとも――

未来の重賞馬が、重賞への扉を開く一戦となるのか。

その走りに、ぜひ注目したい。

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