セントライト記念に新たな刺客――サヴォアフェール

今後に注目すべき馬

セントライト記念に――
新たな刺客、登場。

春には届かなかった舞台へ。

ひと夏を越えて、再び挑もうとしている一頭がいます。

今週行われる、菊花賞の前哨戦「セントライト記念」。

春のクラシック戦線を歩んできた有力馬たちが夏を越え、本格始動を迎える一戦です。

当然、注目を集めるのは皐月賞や日本ダービーなど、春の大舞台を経験してきた実績馬たちでしょう。

しかし――

個人的に非常に注目しているのが、この夏に条件戦を連勝し、ここへ駒を進めてきた上がり馬です。

想定4番人気。

その名は――

サヴォアフェール。

まだ重賞タイトルを手にしているわけではありません。

しかし前走で記録した数字を見ると、単なる「夏の上がり馬」という言葉だけでは片付けられないものがあります。

今回は、セントライト記念へ挑むサヴォアフェールが、この夏に見せた成長。

そして前走で記録した驚異的なラップについて詳しく見ていきたいと思います。


ダートから始まったサヴォアフェールの競走生活

サヴォアフェールは、ここまで6戦3勝。

興味深いのは、その競走生活がダートから始まっていることです。

最初から芝のクラシック候補として歩んできた馬ではありません。

しかし芝へと舞台を移してから徐々に頭角を現し、春には重賞へ挑戦するまでに成長しました。

そのレースが――

京都新聞杯。

3歳春の重要な重賞であり、日本ダービーを目指す馬たちにとって大きな意味を持つ一戦です。

サヴォアフェールにとっては初めての重賞挑戦。

そこで勝ち馬から0秒5差の4着に入りました。

結果だけを見れば馬券圏外です。

しかし、初めての重賞で上位馬と大きく離されることなく4着。

少なくともこの時点で、条件クラスだけで終わるような馬ではない可能性を感じさせる走りだったと思います。

ただ、春のクラシック本番へ進むことはできませんでした。

だからこそ重要になるのが――

ひと夏を越えて、どこまで成長できるのか。

そしてサヴォアフェールは、この夏に数字の面でも非常に興味深い走りを見せることになります。


夏初戦・八代特別で見せた持続力

京都新聞杯の後は自己条件へ戻り、小倉芝2000mの八代特別へ出走。

稍重の馬場で行われたこのレースを、勝ち時計1分59秒9で勝利しました。

注目したいのは、レース後半のラップです。

後半5Fは、

12秒0-12秒0-12秒0-11秒6-11秒7。

稍重の馬場でありながら、後半に大きく失速することなく、最後までしっかりと脚を持続させています。

特にラスト2Fは11秒6-11秒7。

道中で脚を溜めて一瞬だけ速い脚を使ったというより、長くスピードを持続できたことが印象的でした。

そして――

この勝利から、およそ1か月後。

サヴォアフェールは、さらに一段階上のパフォーマンスを見せます。


木曽川特別で記録した1分57秒6

前走は、中京芝2000mで行われた木曽川特別。

ここでサヴォアフェールが記録した勝ち時計は――

1分57秒6。

芝2000mで1分57秒台。

高速馬場という条件を考慮する必要はあるものの、それでも非常に速い時計です。

しかし、今回注目したいのは勝ち時計だけではありません。

レースの後半5Fは――

57秒2。

さらにサヴォアフェール自身の上がり3Fは、

33秒3。

最後は2着馬に2馬身半差をつけて快勝。

八代特別に続く2連勝を飾りました。

「時計が速いレースだったから、勝ち時計も速くなった」

それだけなら、ここまで注目する必要はありません。

しかし過去のレースと比較してみると、この「1分57秒6」と「後半5F57秒2」という組み合わせが、かなり珍しいものであることが分かります。


過去10年でわずか3頭――アーモンドアイも記録した領域

では、サヴォアフェールが木曽川特別で記録した数字は、どれほど優秀だったのでしょうか。

過去10年の芝2000mを対象に、

勝ち時計1分57秒6以内。

そして、

後半5F57秒2以内。

この2つの条件を同時に満たしたレースを調べると、該当したのはわずか3頭でした。

その中には――

G1・9勝を挙げた歴史的名牝、アーモンドアイ。

そして、

重賞3勝のトリオンフ。

さらに、

3勝クラスを勝利したアクート。

過去10年で、この3頭のみ。

そこへ今回――

サヴォアフェールが名前を加えました。

もちろん、これだけでサヴォアフェールがアーモンドアイと同等の能力を持っているという話ではありません。

競馬場も馬場状態もレース展開も違います。

条件戦とG1を単純に比較することもできません。

それでも「速い勝ち時計」と「非常に速い後半5F」を同時に成立させたという事実は、この馬の能力を考えるうえで非常に興味深い材料です。

単純な時計勝負だけではなく、速い流れの中でも最後まで高いスピードを維持できた。

そこに、サヴォアフェールの強さが表れているように感じます。


圧巻だった「11秒1」のラスト1F

そして個人的に、木曽川特別で最も注目したいのがここです。

最後の5Fは、

11秒8-11秒7-11秒4-11秒2-11秒1。

このラップ。

非常に美しい加速ラップになっています。

残り1000mからゴールまで、一度も12秒台に落ちていません。

それどころか、

11秒8。

11秒7。

11秒4。

11秒2。

そして最後が――

11秒1。

ゴールへ近づけば近づくほど、ラップが速くなっています。

普通であれば最後の直線に入り、ゴールが近づくにつれて疲労も大きくなります。

特に芝2000mという距離であれば、最後の1Fで少し時計を落としても不思議ではありません。

しかし、このレースでは最後の1Fが最速。

つまり、最後まで余力を残した状態でゴールへ向かっていた可能性があります。

この内容を見ると、個人的には「1分57秒6」という勝ち時計以上に、こちらの方が魅力を感じます。

単純なスピードだけではない。

最後まで脚を持続させ、さらに加速できる。

セントライト記念、そしてその先の菊花賞を考えても、非常に興味深い内容だったのではないでしょうか。


条件戦2連勝から、再び重賞の舞台へ

そして今週――

サヴォアフェールは再び重賞の舞台へ向かいます。

セントライト記念。

待っているのは、春のクラシック戦線を戦ってきた有力馬たちです。

ここまでの相手とは、当然レベルが変わります。

条件戦を2連勝したからといって、そのまま重賞でも通用するとは限りません。

むしろ――

だからこそ、今回が本当の試金石です。

前走で記録した1分57秒6。

後半5F57秒2。

上がり3F33秒3。

そして最後の5Fを11秒8-11秒7-11秒4-11秒2-11秒1でまとめた加速ラップ。

これらの数字が、条件戦だからこそ生まれたものだったのか。

それとも――

サヴォアフェール自身が、春から本当に大きく成長した結果なのか。

その答えが、セントライト記念で見えてくることになります。


春には届かなかった菊花賞へ

サヴォアフェールの競走生活は、ダートから始まりました。

そこから芝へ転じ、春には京都新聞杯4着。

クラシック本番には届かなかったものの、初重賞で一定の能力を示しました。

そして夏。

自己条件に戻ると八代特別、木曽川特別を連勝。

その先で記録したのが――

芝2000m、1分57秒6。

後半5F、57秒2。

過去10年、同じ条件を満たした馬はわずか3頭。

その中には、アーモンドアイの名前もありました。

そしてラスト5Fは、一度も12秒台に落ちることなく、最後の1Fが最速となる11秒1。

数字だけを見れば、重賞でどこまで通用するのか期待したくなる内容です。

ただし、今回は相手が一気に強くなります。

春の実績馬たちとの直接対決。

ここで結果を残して初めて、夏の連勝が本当の意味を持つことになるでしょう。

あの走りは――

条件戦だからこそ生まれたものだったのか。

それとも。

ひと夏を越え、

世代上位へと成長した「証明」だったのか。

春には届かなかった大舞台。

その先に待っているのは――

菊花賞。

セントライト記念で重賞の壁まで突破するようなら、秋の3歳戦線に新たな有力馬が加わることになります。

ダートから始まり、芝へ。

京都新聞杯4着から、夏の2連勝。

そして――

異例とも言える高速ラップを引っ提げ、再び重賞へ。

サヴォアフェール。

セントライト記念でどんな走りを見せるのか。

非常に面白い一頭になりそうです。

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