先週の日曜の中央競馬。
東京ではクラシックへ向けた登竜門
共同通信杯 が開催され、
未来のスター候補たちの対決に競馬ファンは酔いしれた。
京都では藤岡佑介騎手の魂の騎乗が話題をさらい、
多くのファンに強烈な印象を残した。
しかしその一方で、
重賞ではない条件戦の舞台で
確実に“本物の可能性”を示した2頭がいた。
派手なスポットライトは当たっていない。
だが、数字と内容を精査すればするほど、
その価値は重賞以上のインパクトを秘めている。
今回はその2頭を深掘りしていきたい。
京都4R 3歳1勝クラス
ダノンバーボン ― まだ本気ではない圧勝劇

まず1頭目は京都4R、ダート1900mで行われた3歳1勝クラスを制した
ダノンバーボン。
レースは完璧だった。
スタートをスムーズに決めると、
無理にハナを奪うことなく先行勢を見ながら3番手へ。
折り合いに全く問題はない。
道中のフォームは安定し、
力みもなく、まさに余裕を感じさせる追走だった。
4コーナーで徐々に前との差を詰めると、
直線では持ったままスッと加速。
鞍上が本気で追う場面はほとんどなく、
そのまま楽に突き放しての圧勝劇。
着差以上に“内容”が圧倒的だった。
注目すべきは上がり3ハロン 36秒6。
3歳ダート1900mという舞台で
終始持ったままこの数字を出すのは異常値に近い。
過去10年で同条件・同水準の上がりを記録した馬を振り返ると、
・ペプチドナイル |G1 1勝
・スワーヴアラミス |重賞2勝
・ゲンパチハマジ |3勝クラス
名だたる実績馬の名前が並ぶ。
つまりこの数字は偶然ではない。
重賞級のポテンシャルを示す裏付けである。
さらに印象的だったのは、
ゴール後に鞍上の**西村淳也**が首を振った場面。
あれは満足の頷きではない。
「まだ本気ではない」
そう告げているようにも見えた。
これで2戦2勝。
内容も文句なし。
個人的には
3歳ダート王者候補の一角 と評価したい。
もちろん課題はある。
砂を被った時、揉まれた時にどうか。
だが現時点で見せている余裕度を考えれば、
その壁を越える可能性は十分にある。
次走がどの舞台になるのか。
重賞へ向かうのか、条件戦で確実に積み上げるのか。
いずれにしても、
今後のダート路線を占う上で目が離せない存在だ。
東京9R 雲雀ステークス
ダノンセンチュリー ― グランアレグリア級の加速ラップ

2頭目は東京9R、芝1600mの雲雀ステークスを制した
ダノンセンチュリー。
レースは決してスムーズではなかった。
序盤で出遅れ。
現在の東京は極端な高速馬場。
このロスは致命的になり得る。
さらに道中では気性面の難しさも見せ、
折り合いは完璧とは言えなかった。
直線に向いても前が壁。
追い出しを待たされる苦しい展開。
それでも残り300mで前が開くと、
そこから異次元の加速を見せる。
上がり3ハロン 32秒6。
上がり4ハロン 46秒1。
このラップは歴史的水準だ。
過去10年の東京芝1600mで
■4F 46秒1以内
■3F 32秒6以内
を同時に記録した馬はわずか。
・グランアレグリア |G1 6勝
・グレーターロンドン |重賞1勝
・モズゴールドバレル |OPクラス
・エントシャイデン |OPクラス
あの名牝グランアレグリアと肩を並べる加速ラップ。
しかも今回は
出遅れ
気性難
進路待ち
という不利があった中での記録である。
これは展開利ではない。
明確な能力の証明だ。
まだ気性的に若さは残る。
だが裏を返せば、伸びしろがあるということ。
もし精神面が噛み合えば、
この馬は一段階上のステージに立つ可能性を秘めている。
ダノンが生んだ2頭の可能性
ダートと芝。
条件も距離も違う。
しかし共通点がある。
まだ底を見せていないこと。
ダノンバーボンは余力十分の圧勝。
ダノンセンチュリーは不利を跳ね返す爆発力。
タイプは違えど、
ポテンシャルの高さは共通している。
重賞の裏で生まれた確かな爪痕。
今はまだ“条件戦の勝者”かもしれない。
だが数字は嘘をつかない。
未来は明るい。
クラシック戦線か、
ダート頂点か、
マイル王道路線か。
どの道を進むのかは分からない。
しかし一つだけ確かなことがある。
この2頭は
近い将来、必ず大舞台で名前を聞く存在になる。
そう感じさせるだけの内容だった。
ダノンが生んだ2頭の大物候補。
その次走に、
そしてその先の未来に、
引き続き注目していきたい。

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