土曜の東京開催が幕を開けた。
開幕週ということもあり、芝状態は極めて良好。内外の有利不利も少なく、まさに「フェアで超高速」な馬場が整っていた。
こうした条件が揃うと、馬の本当の能力がはっきりと数字に表れる。実際、この日の東京競馬では各所でハイパフォーマンスが連発し、「時計だけ見れば平凡だが、中身は異常」というレースがいくつも存在した。
今回はその中でも、個人的に特に強烈な印象を残した2頭をピックアップしたい。
一頭は未来を感じさせる新馬、そしてもう一頭は“もはやリステッドでは収まらない”実力馬である。
東京5R・3歳新馬戦

柴田善臣がリッツパーティーでJRA最年長勝利記録更新!「芝に行ったらよかった」【3歳新馬・東京5R】 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬
リッツパーティー──逃げて刻んだ異次元の加速力
まず取り上げたいのは、土曜東京5レースの3歳新馬戦を制したリッツパーティーだ。
内枠から抜群のスタートを決めると、迷いなくハナを主張。
道中は自らペースを作り、前半1000mを62秒0という新馬戦としてはかなり落ち着いた流れに持ち込んだ。
東京芝1800m、しかも開幕週。
この条件でスローペースに落とし込めば、当然直線は瞬発力勝負になる。逃げ馬にとっては決して楽な展開ではない。
しかし、直線に入ってからのリッツパーティーは圧巻だった。
ラスト2ハロンは
11秒0 − 11秒2
逃げ馬とは思えない鋭い加速で、後続を全く寄せ付けない。
結果として勝ち時計は1分48秒2。一見すると突出した数字ではないが、このレースの価値はそこではない。
特筆すべきは、上がり2ハロン22秒2という異常な加速ラップだ。
歴代比較が示す“只者ではない領域”
過去10年、東京芝1800mで
・1分48秒9以内
・上がり2ハロン22秒2以内
この2条件を同時に満たした馬は、以下の5頭しかいない。
- ジャスティンミラノ
- ダノンキングリー
- レーベンスティール
- デゼル
- ペッレグリー二
該当馬5頭中、4頭が重賞ウイナー。
しかもいずれも「切れ味」を武器に上のクラスで通用した馬たちである。
重要なのは、リッツパーティーが
逃げてこの数字を叩き出したという点だ。
位置を取って、ペースを作り、最後に差す。
この内容は単なる新馬勝ちではなく、「完成度の高さ」と「能力の底」を同時に示している。
まだ荒削りな部分もあるが、間違いなく次走も注目すべき一頭だろう。
東京11R・白富士ステークス

【白富士S】3億円ホース・ダノンシーマが3連勝でオープン初V 川田将雅「成長した内容でした」(東スポ競馬)|dメニューニュース(NTTドコモ)
ダノンシーマ──リステッドで刻んだ“GⅠの時計”
そして今回、最大の衝撃を受けたのがこの馬。
東京11レース・白富士ステークスを制したダノンシーマである。
事前から本命候補として注目していた一頭だったが、実際のレース内容は想像を上回るものだった。
スタートは五分以上。
無理に前へ行くことはせず、道中は5番手でしっかりと折り合う。
直線に向くと、徐々に前との差を詰め、残り200m付近から一気にギアが入った。
追い出されてからの反応、伸び、持続力。
どれを取っても隙がなく、結果は完勝。これで3連勝となった。
数字が物語る“異常な価値”
ダノンシーマの勝ち時計は
1分57秒0
さらに注目すべきは、
後半5ハロン57秒5という数字だ。
過去10年、東京芝2000mで
・1分57秒0以内
・後半5ハロン57秒5以内
この条件を満たした馬は、わずか3頭しか存在しない。
- イクイノックス
- アーモンドアイ
- レイデオロ
いずれも天皇賞(秋)という最高峰の舞台で記録された数字である。
つまりダノンシーマは、
リステッド競走でGⅠレベルの走破性能を示したことになる。
これは偶然や馬場だけでは説明がつかない。
ペース、位置取り、直線の反応──すべてが噛み合った結果であり、能力そのものがGⅠ級であることの証明だ。
まとめ──歴史を塗り替える可能性を秘めた2頭
今回取り上げた2頭、リッツパーティーとダノンシーマ。
共通しているのは、「数字が語る裏付け」と「内容の濃さ」である。
特にダノンシーマは、もはやリステッドクラスに留まる存在ではない。
このまま順調に成長すれば、天皇賞(春)で主役を張っても何ら不思議はない。
東京開幕週という最高の舞台で、その能力を余すことなく示した2頭。
競馬界の歴史を塗り替える存在になる可能性を秘めている。
次走、そしてその先へ──
彼らの一歩一歩から、目が離せない。


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