衝撃は、開幕週の小倉から始まった

今後に注目すべき馬

――GI馬の弟・ボンドマティーニが示した“非凡な初陣”

【メイクデビュー小倉6Rレース後コメント】ボンドマティーニ北村友一騎手ら | 競馬ニュース – netkeiba

開幕週の小倉競馬場。
新シーズンの始まりを告げるその舞台で、ひときわ強烈な印象を残す新馬が現れた。

小倉6レース・芝2000m。
そこで衝撃的なデビューを飾ったのが、ボンドマティーニである。

派手な逃げ切りでもなければ、完璧に整ったレース運びでもない。
むしろその内容は、“粗削り”という言葉がふさわしかった。
しかし、それでもなお――いや、だからこそ強烈だった。


良血が背負っていた期待

ボンドマティーニ (Bond Martini) | 競走馬データ – netkeiba

ボンドマティーニは、デビュー前から注目を集めていた存在だ。
姉には、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズを制し、桜花賞・オークスでいずれも2着と、同世代でも抜群の安定感を示したアルマヴェローチェがいる。

言うまでもなく、クラシック戦線の第一線で戦い抜いたGI級の牝馬。
その弟という血統背景だけでも、期待が集まるのは自然な流れだった。

実際、セレクトセールでは約8,000万円で落札。
高額取引は単なる話題作りではなく、将来性を見込まれた証でもある。
「走って当然」という空気の中で迎えたデビュー戦だった。


新馬戦とは思えぬ“課題の多さ”

しかし、レースは決して順風満帆ではなかった。
むしろ、序盤から不安材料が次々と露呈する。

ゲートが開くと、大きく出遅れ
スタート直後から幼さを感じさせる不安定な走りを見せ、1コーナーでは大外を回る形に。
ここで生じた距離ロスは決して小さくない。

さらに道中では、位置を取りにいくように前目へ進出。
本来であれば一息入れたいところだが、流れの中で息を入れるタイミングがなく、終始バタバタとした競馬になってしまった。

冷静に見れば、
・出遅れ
・外々を回るロス
・折り合い面の幼さ
と、新馬戦としては“無駄の多い内容”だったことは否定できない。

普通であれば、ここで凡走しても不思議ではない展開だった。


それでも、能力は隠せなかった

GⅠ馬の半弟ボンドマティーニが快勝 北村友一「想像以上に幼かったです」【3歳新馬・小倉6R】 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬

だが、ボンドマティーニは違った。
3コーナーを回る頃には、すでに先行勢へ並びかける勢い。
直線に入ると、早々と先頭へ躍り出る。

そして、ここからが圧巻だった。

ラスト2ハロンを
11秒4 → 11秒2
という、非常に優秀な加速ラップでまとめ、そのまま押し切って初勝利。

着差こそ大きくはない。
しかし、内容を見れば“着差以上に強い”という評価が自然だろう。
むしろ、あれだけのロスを抱えながら勝ち切った事実そのものが、この馬の能力を雄弁に物語っている。


数字が裏付ける非凡さ

さらに驚くべきは、その時計だ。

勝ち時計は2分00秒1
上がり4ハロンは46秒5

この数字は、3歳小倉芝2000mにおいて過去10年で最速
開幕週とはいえ、新馬戦で簡単に出る数字ではない。

さらに条件を広げてみると、
「過去10年の3歳・芝2000mで、勝ち時計2分00秒1以内、かつラスト1ハロン11秒2以内」を記録した馬は、以下の4頭のみとなる。

  • ノームコア|GI2勝
  • クリスマスパレード|重賞1勝
  • サブマリーナ|オープン
  • スワーヴジョージ|3勝クラス

該当馬4頭のうち、2頭は重賞馬
しかもボンドマティーニは、終始安定感を欠いた走りでこの記録を叩き出している。

つまり、
「完成度の低さを差し引いても、この時計」
という点こそが、最大の評価ポイントなのだ。


騎手が語った“幼さ”と“可能性”

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レース後、鞍上の北村友一騎手はこう語っている。

「思った以上に幼く、ゲートも出なかった」

率直なコメントだ。
気性面の課題は明確で、改善点も多い。
だが裏を返せば、それだけ“伸びしろ”が大きいということでもある。

実際、レースぶりから感じられるのはスケールの大きさ。
血統背景、レース内容、そして数字。
どれを取っても、将来性を疑う材料は見当たらない。


クラシック戦線に名を刻む存在へ

衝撃のデビューを飾ったGI馬の弟、ボンドマティーニ。
完成度はまだ低い。
だが、それでも新馬戦を勝ち切り、歴史的な数字を残した事実は重い。

一つひとつ課題をクリアしていった時、
この馬はどこまで上り詰めるのか。

クラシック戦線で名前を聞く日が来ても、何ら不思議ではない。
その次走、そして成長の過程から――
ボンドマティーニという存在から、しばらく目が離せそうにない。

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