【中京2歳S】7馬身差の怪物に待った…“道悪に隠された怪物”が挑む

今後に注目すべき馬

7馬身差の怪物に――新たな刺客。

今週行われる2歳重賞、中京2歳ステークス。

まだキャリアの浅い2歳馬たちが集う一戦だが、今年は今後のクラシック戦線を占ううえでも非常に興味深いメンバーが揃った。

その中でも、特に注目したいのが2頭。

デビュー戦で後続を7馬身も突き放し、2歳福島のコースレコードタイを叩き出した

――ジーティーマイカ

ジーティーマイカ (G T Maika) | 競走馬データ – netkeiba

そして、稍重の阪神芝1400mで優秀なスピード持続力を見せ、今回さらなる上昇が期待できる

――ビスケットサンド

ビスケットサンド (Biscuit Sand) | 競走馬データ – netkeiba

ともにデビュー戦を勝利した無敗馬。

しかし、その勝ち方も、能力を証明した舞台も大きく異なる。

果たして中京で勝つのは――。

7馬身差で現れた怪物なのか。

それとも、道悪に能力を隠している怪物なのか。

今回は中京2歳ステークスで激突する、2頭の「怪物候補」を比較していきたい。

7馬身差で現れた怪物――ジーティーマイカ

まずは、断然の1番人気が予想されるジーティーマイカ。

この馬がデビュー戦で見せたパフォーマンスは、まさに「衝撃」という言葉がふさわしいものだった。

舞台は福島芝1200m。

スタートを決めると、道中は好位からレースを進める。

決して序盤から無理に飛ばして逃げたわけではない。

前を射程圏に入れながら折り合い、直線へ。

そして、ここからが圧巻だった。

追い出されると一気に加速。

後続との差は縮まるどころか、見る見るうちに広がっていく。

最後は完全な独走状態。

2着馬につけた着差は――実に7馬身

2歳のデビュー戦で、これだけの着差をつければ、それだけでも強烈なインパクトが残る。

しかし――。

ジーティーマイカの本当の凄さは、単純な「7馬身差」だけではない。

注目したいのが、そのレースで記録されたラップだった。

前半3F――34秒5

そして後半3F――33秒9

前半から決して遅い流れではなかったにもかかわらず、後半はさらにペースアップ。

つまり、ある程度のスピードで走りながら、最後にもう一段階ギアを上げている。

そして何より衝撃的だったのが、ラスト3Fの推移だ。

11秒4―11秒4―11秒1。

普通ならば、ゴールへ近づくにつれて疲労が蓄積し、ラップは少しずつ落ちていく。

ましてや2歳馬のデビュー戦。

まだ競馬そのものを経験していない若駒であれば、最後に失速しても不思議ではない。

ところがジーティーマイカは違った。

11秒4、11秒4と高いスピードを維持したうえで――最後の1Fは11秒1。

失速するどころか、ゴール直前で再加速している。

これこそ、この馬のデビュー戦を高く評価したい最大のポイントだ。

そして勝ち時計は――1分08秒4

これは2歳福島芝1200mのコースレコードタイ

7馬身差。

前半34秒5。

後半33秒9。

ラスト1F11秒1。

そして、コースレコードタイ。

単純な着差だけでは説明できないだけの数字を残している。

「怪物候補」と呼ばれるだけの根拠は、十分にあるだろう。

当然、今回の中京2歳ステークスでも主役候補。

ここを勝つようなら、重賞戦線だけでなく、来年の大舞台へ向けても一気に期待が膨らむ存在となる。

しかし――。

そんな7馬身差の怪物に、待ったをかける馬がいる。

道悪に隠された怪物――ビスケットサンド

想定2番人気。

その名は――ビスケットサンド

ジーティーマイカほど派手な着差で勝利したわけではない。

レコードタイを記録したわけでもない。

それでも私は、今回この馬の存在を非常に不気味に感じている。

デビューしたのは6月。

舞台は阪神芝1400m。

そして、この日の馬場状態は――稍重だった。

ここが今回、この馬を考えるうえで非常に重要なポイントになる。

レースは前半3F34秒9。

2歳の新馬戦としては決して楽な流れではない。

さらに後半3Fも35秒2。

前半である程度のスピードを要求されながら、後半も大きくペースを落とさない。

レース全体として見れば、スピードだけではなく、そのスピードを維持する持続力も問われる展開だった。

そんな中、ビスケットサンドは道中6番手付近。

先行争いには加わらず、中団でじっくりと脚を溜めていく。

そして勝負どころから徐々に進出。

直線へ入ると外へ持ち出され――そこから一気に加速した。

前には、速い流れを耐えて粘り込みを図る先行勢。

しかしビスケットサンドは、その馬たちを外からまとめて捕らえる。

そして最後は先頭でゴール。

デビュー戦を鮮やかな差し切り勝ちで飾った。

自身の上がり3Fは――34秒4

もちろん、メンバー最速。

ここで改めて考えたい。

このレースは、良馬場ではない。

稍重だった。

その馬場状態で前半34秒9という流れを追走しながら、最後は自身34秒4の脚を使って差し切っている。

単純な勝ち時計だけを見れば、ジーティーマイカほどの派手さはない。

しかし、馬場状態まで含めて考えれば――。

この数字の価値は決して小さくない。

過去にはNHKマイルC覇者も

さらに、このレースの数字を過去のレースと比較してみる。

条件は――。

過去10年。

稍重の芝1400m。

前半3F34秒9以内。

そして後半3F35秒2以内。

つまり、道悪の1400mで前半から一定以上のスピードが要求され、それでも後半まで大きく失速しなかったレースを抽出する。

すると――。

この条件を満たした馬の中には、後のNHKマイルカップ覇者・パンジャタワーも存在する。

もちろん、同じ条件をクリアしたからといって、ビスケットサンドが将来同じレベルまで到達すると断言することはできない。

競馬では、馬場状態も展開も相手関係も異なる。

単純な数字だけで能力を決めつけるべきではないだろう。

それでも――。

まだキャリア1戦の2歳馬が、稍重という条件下でこれだけのスピード持続戦を経験し、その中でメンバー最速の上がりを使って勝ち切った。

この事実は、今回の中京2歳ステークスを考えるうえで無視できない。

そして私がビスケットサンドに期待したい最大の理由は、ここからだ。

良馬場なら、さらに上があるのではないか

今回、私が最も注目しているのが――馬場状態の変化

ビスケットサンドがデビュー戦で優秀な数字を記録したのは良馬場ではない。

稍重だった。

芝が水分を含み、一般的には良馬場ほどスピードを出しやすい状況ではない。

その条件下で前半34秒9、後半35秒2というレースを走り、自身は34秒4で上がった。

ならば――。

良馬場に替わったとき、この馬は一体どれほどのパフォーマンスを見せるのか。

ここに大きな期待を抱きたくなる。

もちろん、道悪を得意とする馬もいるため、「良馬場になれば必ず時計が縮まる」と単純に考えることはできない。

しかし、稍重で見せた走りに余力があったことを考えれば、より走りやすい馬場でパフォーマンスを上げてくる可能性は十分にある。

しかも今回は、デビュー戦と同じ芝1400m

すでに同距離を経験していることも強みになる。

対するジーティーマイカは1200mから1400mへの距離延長。

1200mで証明した絶対的なスピードは大きな武器だが、今回はさらに200m距離が延びる。

その中で、前走と同じような圧倒的なパフォーマンスを見せられるのか。

ここも今回の重要なポイントになるだろう。

7馬身差の怪物か、それとも道悪に隠された怪物か

改めて、2頭のデビュー戦を比較したい。

ジーティーマイカ。

7馬身差。

勝ち時計1分08秒4。

前半3F34秒5から、後半3F33秒9。

そしてラスト3Fは11秒4―11秒4―11秒1。

最後まで減速することなく、むしろラスト1Fでさらに加速。

2歳福島芝1200mのコースレコードタイを記録した。

そのスピード能力については、疑う余地がない。

対する――ビスケットサンド。

稍重の阪神芝1400m。

前半3F34秒9。

後半3F35秒2。

自身はメンバー最速となる上がり34秒4。

速い流れを中団から追走し、直線で外へ持ち出して差し切った。

そして今回は、前走と同じ1400m。

さらに稍重から良馬場へ替われば、数字以上の上積みが残されている可能性がある。

一方は――すでに圧倒的な数字を見せた馬。

もう一方は――まだ数字の奥に何かを隠しているかもしれない馬。

どちらも、重賞級の可能性を秘めた2歳馬だと思う。

だからこそ、この直接対決は面白い。

現時点で完成されたスピード能力なら、ジーティーマイカ。

しかし、今回の条件変化まで含めて考えるなら――。

私はもう一頭に賭けてみたい。

今回、私が選ぶのは――ビスケットサンド

中京2歳ステークス。

今回、私が選ぶのは――。

ビスケットサンド。

最大の理由は、やはりデビュー戦を稍重で記録したという点。

道悪の芝1400mで前半34秒9という流れを経験しながら、自身は34秒4の末脚を使って勝ち切った。

そして今回は良馬場。

もし前走の数字が、馬場に能力を削られながら記録したものだったとすれば――。

今回、そのリミッターが外れる可能性がある。

もちろん、相手は強い。

7馬身差で圧勝し、2歳コースレコードタイまで叩き出したジーティーマイカ。

そのスピードは本物だろう。

それでも競馬は、前走の着差だけでは決まらない。

距離。

馬場。

展開。

そして、キャリア1戦を経験した2歳馬の成長。

様々な条件が変化する中で、前走以上のパフォーマンスを見せる馬が現れる。

だからこそ――。

稍重で刻んだ、あの数字。

そして良馬場へ替わる今回。

私はビスケットサンドが、まだ見せていないさらなるパフォーマンスを発揮する可能性に賭けたい。

7馬身差で現れた怪物か。

それとも――。

道悪に隠されていた怪物か。

圧倒的なスピードを証明した、ジーティーマイカ。

稍重でその能力の片鱗を見せた、ビスケットサンド。

来年のクラシック戦線を沸かせる存在となるかもしれない、2頭の怪物候補。

その2頭が――中京で激突する。

果たして、本当に強いのはどちらなのか。

その答えは――。

今週、明らかになる。

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