先週の土曜日。
平地では重賞レースが行われず、例年とは少し違う、どこか静かな開催となった。
いつもなら重賞レースが話題の中心となる週末。
しかし、その静かな開催の裏で――
一つの“衝撃”が生まれていた。
舞台は中山競馬場。
中山11R アネモネステークス
桜花賞へと続く、伝統あるトライアルレースである。
このレースで、とてつもないパフォーマンスを見せた一頭の牝馬がいた。
美浦・手塚厩舎 ディアダイヤモンド
桜花賞戦線に新たな主役候補が現れた瞬間だった。
シンザン記念の大敗
ディアダイヤモンドが注目を集めたのは今回が初めてではない。
前走の舞台はシンザン記念。
牡馬相手の重賞でありながら、
牝馬のディアダイヤモンドは5番人気に支持されていた。
それだけ陣営やファンの期待は大きかった。
しかしレースでは思わぬアクシデントが起きる。
スタート直後に不利を受け、
思うような位置取りができないままレースを進めることになった。
本来の走りを発揮することができず、
結果は9着。
人気を背負いながらの大敗。
期待を裏切る結果となってしまった。
だが――
あの敗戦は、
単なる能力不足ではなかった。
それを証明する日が、
すぐに訪れることになる。
桜花賞トライアルで大変身
迎えた一戦がアネモネステークス。
ここは桜花賞への優先出走権がかかる重要なトライアル。
クラシックを目指す牝馬たちにとって、
絶対に落とせない一戦だ。
ゲートが開く。
ディアダイヤモンドは今度こそ
スムーズなスタートを決めた。
序盤は先行勢を見る形でレースを進める。
内目のポジションで折り合いも完璧。
道中は全く無理をせず、脚を溜めながら運んでいく。
そして迎えた直線。
前にいた馬たちの手応えが鈍り始めた瞬間――
ディアダイヤモンドが動く。
鞍上の合図に応えるように
一気に加速。
先頭を射程圏に入れると、
並ぶ間もなく交わし去る。
さらにそこから脚色は衰えない。
後続との差はどんどん広がり、
そのまま突き放してゴールイン。
結果は――
2着に3馬身差の完勝。
圧倒的だった。
アネモネS史上最大着差
この勝利は、ただの快勝ではない。
実はこのレース、
過去10年のアネモネステークスの歴史を振り返ると
2着に3馬身差以上をつけて勝利した例は存在しない。
つまり今回の勝利は
過去最大着差の勝利
ということになる。
桜花賞トライアルという
ハイレベルな舞台での圧勝。
これは偶然ではない。
ディアダイヤモンドの能力の高さを
はっきりと示す内容だった。
驚異的なラップ水準
さらに驚かされるのは時計面である。
今回の勝ち時計は
1分32秒7
そして上がり4Fは
46秒4
という優秀なラップを記録した。
この水準がどれほど凄いのか。
過去10年、
3歳牝馬の1600m戦でこのレベルのパフォーマンスを見せた馬を調べてみると――
該当するのは以下の馬たちだった。
- グランアレグリア |G1 6勝
- リバティアイランド|G1 4勝
- ソダシ |G1 3勝
- メジャーエンブレム|G1 2勝
- アエロリット |G1 1勝
- ステレンボッシュ |G1 1勝
並んでいる名前を見れば分かる通り、
すべてG1馬。
しかも、いずれも競馬史に残るレベルの名牝ばかりだ。
ディアダイヤモンドは
その歴史的名牝たちに迫るラップを刻んだのである。
これは単なるトライアル勝利ではない。
G1級のパフォーマンス
と言っても決して大げさではない。
未勝利戦でも見せていた怪物の片鱗
今回の激走は突然のものではない。
実はディアダイヤモンドは
2走前の未勝利戦でも驚くべき走りを見せていた。
そのレースで繰り出した末脚は
当時“怪物級”と評された
リバティアイランド級の末脚
とも言われるほど。
直線では一気に突き抜け、
他馬を寄せ付けない内容で初勝利を挙げた。
つまり今回の覚醒は、
突然起きたものではなく
元々秘めていた能力が一気に開花した
と見るべきだろう。
桜花賞で歴史を変えるか
実はアネモネステークスには
一つのジンクスが存在する。
それは――
このレースの勝ち馬から桜花賞馬は出ていない
という事実だ。
長い歴史を持つトライアルだが、
ここを勝った馬がそのまま桜花賞を制した例はない。
しかし。
今回のディアダイヤモンドの走りは
その歴史を覆す可能性を秘めている。
最大着差の勝利。
そして名牝クラスに迫るラップ。
その内容は
過去のアネモネS勝ち馬とは
明らかに一線を画している。
桜花賞本番で
どのような走りを見せるのか。
この馬がもし勝利すれば、
アネモネステークスの歴史は
大きく塗り替えられることになる。
桜花賞戦線の新たな主役候補
静かな開催の裏で起きた、
一頭の牝馬の覚醒。
ディアダイヤモンド。
その走りは間違いなく、
今年のクラシック戦線を語る上で
無視できない存在となった。
果たして彼女は
グランアレグリア
リバティアイランド
ソダシ
といった名牝たちに続く存在となるのか。
桜花賞へ向けて
最も注目すべき一頭
と言えるだろう。
クラシックの舞台で
再び衝撃を起こす可能性を秘めた逸材。
ディアダイヤモンド。
桜花賞で、要チェックの存在だ。

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