― カフェラバーは負の歴史を塗り替えられるのか ―
今週の中央競馬は、クラシック戦線を占ううえで見逃せないレースが数多く組まれている。
日曜日には京都で【きさらぎ賞】、東京では【ゆりかもめ賞】。
さらに土曜日には、牝馬クラシックを意識する素質馬が集う【エルフィンステークス】も開催される。
いずれも将来の重賞戦線、ひいてはクラシックへとつながる重要な一戦であり、多くの競馬ファンや関係者が注目するレースだろう。
しかし、その一方で――
3歳戦でありながら、どうしても積極的に評価する気になれないレースが存在する。
それが、土曜日・東京9レースの春菜賞である。
なぜ春菜賞は「評価しづらい」のか

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春菜賞は、東京芝1400mで行われる3歳1勝クラスの特別戦。
条件だけを見れば、将来性のある馬が集まってもおかしくない舞台だ。
だが、過去の実績があまりにも厳しい。
過去10年の春菜賞勝ち馬を振り返ってみると、その後に重賞を勝利した馬は
2021年の勝ち馬・アヴェラーレのみ。
クラシック制覇どころか、クラシック路線に名前が挙がった馬すらほぼ存在しない。
さらに言えば、春菜賞を勝利したあと、1勝も挙げられずに競走生活を終えた馬も少なくないのが現実だ。
つまり、
- 春菜賞を勝っても
- そこで能力のピークを迎えてしまい
- その後の伸びしろを感じさせないケースが多い
という、“負の歴史”を背負ったレースなのである。
距離が1400mという点も、評価を難しくしている要因のひとつだ。
クラシックを目指す馬にとってはやや短く、
スプリント~マイル路線に向かう馬にとっても、完成度が問われやすい。
結果として、
「ここで強い競馬をしても、その後につながらない」
そんなイメージが定着してしまっている。
それでも注目したくなる一頭がいる

しかし――
そんな春菜賞にも、久々に「この馬なら」と思わせる存在が現れた。
美浦・和田厩舎 カフェラバー
デビュー戦は、昨年11月の東京芝1400m。
一見すると、ごく普通の新馬戦勝ちに映るかもしれない。
だが、その中身を精査すると、評価は大きく変わる。
新馬戦の内容は“数字以上”に価値がある
スタートではやや出遅れ。
それでも鞍上は慌てず、すぐに中団へポジションを押し上げ、道中は5番手でレースを進める。
この日の流れは、
前半600m=36秒5という明確なスローペース。
東京1400mとしてもかなり緩く、
圧倒的に「前残り有利」の展開だった。
通常であれば、
後方や中団から差すのは相当難しい流れである。
しかし、残り400m。
カフェラバーは、そこから一気に加速する。
直線入口で進路を確保すると、
鋭い反応でスッとギアを上げ、
先行していた各馬をまとめて差し切り。
内容はまさに圧巻だった。
数字が示す“非凡さ”
勝ち時計は 1分22秒8。
そして注目すべきは、最後の400m=21秒9という加速ラップ。
過去10年、同じ東京芝1400mでこのラップを記録した勝ち馬は、
- ファンタジスト
- キミワクイーン
- ルージュスエルテ
- ミーントゥビー
この僅か4頭のみ。
しかも、
勝ち時計はカフェラバーが最速である。
1400m戦という性質上、比較対象は限られるものの、
それでもこのラップが示す瞬発力は明らかに優秀だ。
さらに衝撃的な「自信の走破ラップ」

より踏み込んで見ると、
ラスト400mの内訳は、
10秒9 – 10秒7
終盤にかけて減速どころか加速している点は特筆に値する。
前有利のスローペース。
普通なら脚を余しても差し切れない流れの中で、
このラップを叩き出した事実は、着差以上に評価できる。
単なる「展開が向いた勝利」ではない。
能力でねじ伏せた一戦と言っていい。
春菜賞の歴史を塗り替えられるか
もちろん、春菜賞というレースの性質を考えれば、
過度な期待は禁物だ。
距離の問題、路線の問題、成長力――
越えなければならない壁は多い。
それでも、
- 不利な展開を覆した内容
- 数字が裏付ける瞬発力
- 終盤でさらに伸びるラップ構成
これらを踏まえると、
「春菜賞だから軽視」と一蹴してしまうのは危険だと感じる。
過去の負の歴史を塗り替える存在となれるか。
その可能性を秘めた一頭であることは、間違いない。
まとめ
春菜賞は、確かに出世例の少ないレースだ。
しかし、歴史は常に「例外」によって更新されてきた。
カフェラバーは、
その例外になり得るだけの内容と数字をすでに示している。
この一戦が、
単なる条件戦の勝利で終わるのか。
それとも、将来への布石となるのか。
その答えは、これからの成長と選択次第だろう。
春菜賞という舞台だからこそ、注目したい一頭。
今後の動向から、目を離せない存在である。

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