いよいよ今週から東京開催が幕を開ける。
春へと向かう競馬シーズンの始まりを告げる開催替わりだが、今週の土曜日は意外にも重賞競走が組まれていない。
一見すると、少し落ち着いた番組構成。
しかし、こうした「静かな土曜」にこそ、ときに後の重賞戦線を賑わせる大物が姿を現す。
今週土曜、東京競馬場のメインレース。
白富士ステークス。
この一戦に、将来の重賞常連候補とも言える2頭の大物が揃って出走してくる。
セレクトセール3億円超の期待馬、ダノンシーマ

まず注目したいのが、ダノンシーマだ。
通算成績は7戦4勝。
セレクトセールでは約3億4000万円という高額で落札され、デビュー前から大きな期待を背負ってきた一頭である。
その期待に、ここにきて本格的に応え始めている。
特に印象的だったのが、前走の比叡ステークス。
道中は先行馬を見ながら、無理にポジションを取りに行かず好位の外目でレースを進めた。
直線ではスムーズに外へ持ち出されると、しっかりと脚を伸ばして先頭へ。
そこからは後続を寄せ付けることなく押し切り勝ち。
唯一の3歳馬という立場ながら、力の違いを示す内容で連勝を飾った。
このレースで注目すべきは、その時計だ。
勝ち時計は 2分24秒6、上がり3ハロンは 34秒1。
一見すると派手さはないように映るが、過去10年の同条件でこの水準をクリアした馬を振り返ると、その価値が一気に浮かび上がる。
- ダノンデサイル
- シャフリヤール
- ソウルスターリング
- ラブリーデイ
- ヴェラアズール
- シュトルーヴェ
- サトノグランツ
該当した9頭のうち、7頭が重賞馬。
しかも、その多くがGⅠタイトルに手をかけている名馬たちだ。
着差以上に、レース内容と数字が示すレベルの高さ。
ダノンシーマが“本物”である可能性は、ここでも十分に裏付けられている。
昇級戦でも通用する根拠、兵庫特別の内容

ダノンシーマの評価をさらに高めるのが、前々走の兵庫特別での走りだ。
このレースでも、GⅠ級と言っていい時計とラップを記録しており、決して比叡ステークスだけの一発屋ではないことを証明している。
クラスが上がっても、レースレベルが上がっても対応できる下地は整っている。
今回の白富士ステークスは昇級戦となるが、人気を集めるのも当然の流れと言えるだろう。
しかし――
そんなダノンシーマの前に、最大級の強敵が立ちはだかる。
史上最大のライバル、ウィクトルウェルス登場

イクイノックスメモリアルで新星誕生! ルメール騎乗のウィクトルウェルスが4連勝でオープン入り | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬
想定1番人気に推されているのが、ウィクトルウェルスだ。
通算成績は5戦4勝。
デビュー戦こそ敗れたものの、それ以降はパーフェクトな成績を残している。
特に前走のイクイノックスメモリアルは、内容・数字ともに圧巻だった。
外枠からのスタートとなったが、道中は無理せず中団に位置。
馬群の外目をスムーズに進出し、直線でも余力十分の手応えで伸びてきた。
先に動いたエランを目標に、じわじわと差を詰め、最後はきっちりと交わして1着。
休み明けの一戦ながら、仕上がりの良さと地力の高さを存分に示し、これで4連勝となった。
数字が証明する、ウィクトルウェルスの非凡さ
このレースで記録した時計は 1分58秒6。
さらに、4ハロン 46秒1、3ハロン 33秒5 という非常に優秀なラップを刻んでいる。
過去10年、東京2000mで
「1分58秒6以内」「4F 46秒1以内」「3F 33秒5以内」
このすべてを満たした馬を見てみると――
- アーモンドアイ
- ドウデュース
- エフフォーリア
- ロードデルレイ
など、名だたる実力馬が並ぶ。
該当7頭中4頭が重賞馬、3頭がオープン馬。
クラシックには出走できなかったものの、ウィクトルウェルスも秋以降に急成長を遂げた一頭であることは間違いない。
こちらも今回が昇級戦。
それでもなお、主役候補として評価されるだけの材料は十分に揃っている。
重賞ではない、だがレベルは重賞級
ダノンシーマとウィクトルウェルス。
この2頭に共通しているのは、クラシックに出走していないこと、そして秋から一気に力をつけてきた成長曲線だ。
早くから注目を集めてきたが、完成はまだ先――
そんなタイプが、ここにきて本格化を迎えている。
個人的には、この2頭はいずれ今年の重賞戦線に必ず顔を出してくる存在だと見ている。
白富士ステークスは重賞ではないが、レースの質、メンバーの濃さは間違いなく“重賞級”。
東京開催の幕開けを飾るにふさわしい、大物同士の激突。
この一戦を見逃す手はない。


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