4歳2勝クラス──それでも諦めるには早すぎる

“ダノンデサイル級”の素質を秘めた遅咲きの逸材【レッドバンデ】
競走馬としてのピークは、一般的に
3歳から4歳
だと言われている。
もちろん成長曲線には個体差があり、
早熟な馬もいれば、時間をかけて完成へと近づく馬もいる。
しかし現実問題として、
4歳の時点でオープンクラスに上がれていない馬が、
そこからGⅠ馬へと駆け上がるケースは極めて少ない。
だからこそ競馬ファンの多くは、
「4歳で条件クラス=頭打ち」
というフィルターを、無意識のうちにかけてしまう。
だが――
その“常識”に真っ向から疑問符を投げかける一頭が、
明日の中山に姿を現す。
明日の中山7R・4歳以上2勝クラス
主役は条件馬にあらず
明日行われる 中山7R・4歳以上2勝クラス。
一見すれば、ごく平凡な条件戦に映るかもしれない。
だがこのレースに、
「本来ここにいる馬ではない」
そう断言したくなる存在がいる。
その名は――
レッドバンデ。

「赤い絆」を意味するその馬名の通り、
静かに、しかし確実に力を積み重ねてきた一頭だ。
通算成績は 6戦2勝。
数字だけを見れば、確かに地味。
だが競馬は、
数字だけでは測れない世界である。
早い段階から示していた“只者ではない片鱗”
レッドバンデは、キャリア序盤から
明らかに“普通ではない空気”を漂わせていた。
特に衝撃的だったのが、
3走前・稲城特別(東京2400m)。
道中は3〜4番手の好位。
ペースは緩やかで、
一見すると展開利のある先行馬が残りそうな流れだった。
しかし直線に入ると、
レッドバンデは前を行く2頭の間を割り、
まるで次元の違う脚色で一気に突き抜ける。
結果は――
5馬身差の圧勝。
単なる勝利ではない。
「力の違い」を明確に示した内容だった。

数字が証明する“GⅠ級の領域”
このレースで注目すべきは、
着差以上に“数字”の部分だ。
- 勝ち時計:2分24秒3
- 上がり4ハロン:45秒9
過去10年、
3歳時に2400mを2分24秒台で走破し、
かつ上がり4F45秒9を記録した馬は、
わずか3頭しか存在しない。
・ダノンデサイル(GⅠ2勝)
・シャフリヤール(GⅠ2勝)
・サトノグランツ(重賞2勝)
――そう、
3頭中2頭がGⅠ馬。
この数字が示すのは、
単なる瞬発力ではない。
高いパワーと、最後まで脚を使い切る持続力。
長距離でこそ真価を発揮する、
極めて希少な資質だ。
この記録を見て、
「条件馬だから偶然出ただけ」と片付けるのは、
あまりにも乱暴だろう。
セントライト記念──負けてなお強し
続く 2走前・セントライト記念。
ここでは一転、
前半から速いペースが刻まれる消耗戦となった。
当然、先行勢には厳しい展開。
多くの馬が苦しくなる中で、
レッドバンデは前目の位置から踏ん張り続ける。
結果は 3着。
しかし注目すべきは着順ではない。
先行勢の中で、最先着だったという事実だ。
展開に恵まれたわけでもない。
むしろ真逆。
それでも最後まで止まらなかった。
これは能力がなければ、
決してできない競馬である。

【セントライト記念】レッドバンデは伸びきれず3着 佐々木大輔騎手「最後は決め手の差」|競馬ニュース|競馬予想のウマニティ
菊花賞──舞台設定が合わなかっただけ
前走の 菊花賞。
ここでレッドバンデは5着に敗れた。
だが、この一戦で評価を下げるのは早計だ。
レースは緩やかなペースで進み、
直線は完全な瞬発力勝負。
切れ味が武器の馬が有利な展開だった。
一方でレッドバンデの武器は、
鋭さよりも持続力。
この条件では分が悪かったのは明白で、
それでも5着に踏みとどまった点は評価すべきだろう。
そして今回──久々の自己条件
今回の舞台は、
久々の 自己条件・2勝クラス。
相手関係は一気に楽になり、
本来の力を素直に発揮できる状況が整った。
ここは単なる通過点。
勝ち負けはもちろん、
どんな内容で勝つかが問われる一戦だ。
4歳で2勝クラス――
その肩書きだけで見限るには、
あまりにも惜しい逸材。
条件馬の皮を被った“重賞級”
レッドバンデは、
すでに能力的には重賞戦線に足を踏み入れていい存在だ。
あとは噛み合う舞台と、
一つのきっかけ。
個人的には、
今年のどこかで重賞に名を連ねる存在になると見ている。
その第一歩として、
明日の中山7Rは非常に重要な一戦。
「条件馬だから」
そう思った人ほど、
レース後に驚くことになるかもしれない。
赤い絆が、
次のステージへと結ばれる瞬間に――
ぜひ注目してほしい


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