明後日に行われる、1月の伝統のマイル重賞・シンザン記念。
クラシックへ向けた重要な前哨戦として、毎年多くの素質馬が集う一戦だ。
今年も例年通り、将来を嘱望される2歳馬たちが顔を揃えたが、
その中で想定1番人気が予想されているのがアルトラムスである。

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しかし、冷静に戦績と内容を振り返ると、
この馬を“絶対視”するにはいくつかの不安材料が残る。
想定1番人気・アルトラムスに残る不安点
まず時計面、ラップ構成を見ても、
現時点で特筆すべき決定的な数字は見当たらない。
前走で2着に敗れた相手は、
次走の未勝利戦で7着と敗退。
その結果から逆算しても、レースレベルが
そこまで高かったとは言い切れないのが正直なところだ。
もちろん素質馬であることに疑いはないが、
「重賞で信頼できるだけの裏付けがあるか」と問われれば、
まだ材料が揃っていない印象は否めない。
となれば、ここで狙うべきは
一度評価を落とした馬の巻き返しだろう。
注目は想定3番人気・バルセシート

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今回、私が注目したいのは
想定3番人気に甘んじているバルセシートである。
前走の大敗によって評価を落としているが、
その一戦だけでこの馬の能力を見限るのは早計だ。
むしろ、能力を測る上で最も重要なのは
2走前の新馬戦にある。
2走前・新馬戦の内容が示す非凡さ
その新馬戦、スタートではダッシュがつかず、
序盤は後方からの競馬となった。
外枠という不利な条件の中、
無理に押していくことなく道中は中団後方に位置。
ここまではごく普通の新馬戦の一場面に過ぎない。
しかし、真価を発揮したのは4コーナーからだった。
徐々に進出を開始すると、
直線では明らかに他馬とは違う手応え。
そこからはグングンと鋭く加速し、
最後の200mを11秒4という優秀なラップでまとめ、
先行勢をまとめて差し切ってみせた。

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新馬戦でこの脚を使える馬は、
そう簡単に現れるものではない。
数字が裏付ける“重賞級”のパフォーマンス
このレースの勝ち時計は1分33秒6。
2歳新馬戦としては十分に優秀なタイムだ。
特筆すべきは、
「勝ち時計」だけではなく「ラップ内容」にある。
過去10年、京都の2歳1600m戦において
『1分33秒台』かつ『ラスト1ハロン11秒4』
この両方を記録した馬は、実は非常に限られている。
そして、その条件を満たしていたのが
一昨年の阪神JFを制したアルマヴェローチェのみ。
つまり、数字の上では
すでにGⅠ級牝馬と肩を並べるパフォーマンスを
新馬戦で示していたということになる。
この事実からも、
バルセシートが秘めている能力は
少なくとも重賞級以上であると評価していい。
前走・京都2歳ステークスの大敗は度外視可能

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では、なぜ前走で7着と大敗してしまったのか。
前走の京都2歳ステークスでは、
1番人気に推され、期待も非常に大きかった。
しかし、レースは序盤から大きく躓く形となった。
スタートで大きく出遅れ、
さらに道中では折り合いを欠き、
終始ロスの多い競馬を強いられてしまう。
加えて、距離は2000m。
血統的にも明らかに長く、
この馬の持ち味を活かせる条件とは言えなかった。
結果は7着。
人気を裏切る形となってしまったが、
敗因ははっきりしている。
敗因は明確。今回は「全くの別条件」
距離適性、スタート、折り合い。
敗因はどれも明確で、
能力負けと断じる要素は見当たらない。
むしろ今回は、
・距離は1600m
・舞台は瞬発力が問われる条件
・巻き返しに最適な設定
と、条件は一変する。
このレースは
完全に度外視して良い一戦と分析できる。
血統背景が示す“生粋のマイラー資質”
さらに注目すべきは血統だ。

バルセシートは、
2019年の阪神JFを制したレシステンシアの弟。
言うまでもなく、姉は歴史的なスピードを誇った
名マイラーである。
この血統背景からも、
1600mという距離はまさにベスト条件。
マイラーとしての資質は十分すぎるほど備えている。
前走からの一変に要注意
前走の大敗で評価を落とした今回。
しかし、だからこそ狙い目でもある。
能力は新馬戦で証明済み。
敗因は明確で、条件も好転。
血統も後押しする。
これだけ材料が揃っていながら
想定3番人気に留まるのであれば、
むしろ積極的に狙う価値は高い。
シンザン記念での前走からの一変。
バルセシートの走りには、
最大限の注意を払う必要があるだろう。


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