先週、ホープフルステークスは予想どおりロブチェンが制覇。
これで2025年の2歳GI戦線はすべて終了し、競馬ファンの視線は自然と来年のクラシックへと向かっていく。
世代の主役候補がある程度見え始め、「今年も終わるな」と感じるこの時期――。
しかし、そんな空気を一変させる一頭が、今年最後の土曜開催・阪神5R新馬戦で鮮やかにデビューを飾った。
栗東・渡辺薫彦厩舎所属
ショウナンハヤナミ

【阪神5R・2歳新馬】ショウナンハヤナミが2馬身差V 3週連続新馬勝ちの渡辺調教師「期待が持てます」 | 競馬ニュース – netkeiba
年の瀬に突如現れたこの若駒は、単なる新馬勝ちでは片付けられない、強烈なインパクトを競馬界に残した。
2歳馬には酷とも言える阪神2000mという舞台
舞台は阪神芝2000m。
この条件は2歳馬にとって決して楽なものではない。
スタートからペースが落ち着きにくく、
直線には急坂が待ち構え、
総合力とスタミナ、そして精神的な完成度が問われる。
新馬戦でこの条件が使われること自体、馬にとっては大きな試練だ。

レース内容は「完成度の塊」
ショウナンハヤナミは、スタートをスムーズに決めると好位へ。
無理に押すこともなく、自然体でポジションを確保した。
道中は終始リズム良く追走。
折り合い面に不安は一切なく、2歳馬とは思えない落ち着きを見せる。
鞍上の手はほとんど動かず、馬自身が競馬を理解しているかのような走りだった。
そして3コーナー。
各馬が進出を開始する中、ショウナンハヤナミは外から被せられる厳しい展開に。
普通ならここで怯む馬も多い。
だが、この馬は違った。
被されるなら、さらに外へ。
自ら進路を選び、堂々と大外を回して直線へ向かう。
直線で見せた“異次元の瞬発力”
直線に向いた瞬間、スイッチが入った。
一完歩ごとの脚捌きが明らかに違う。
鋭く、軽く、そして速い。
好位勢を一瞬で抜き去ると、あとは独壇場。
追われてからの反応も抜群で、最後まで脚色が鈍ることはなかった。
結果は、見る者すべてに強烈な印象を残す完勝劇だった。

【阪神5R・2歳新馬】ショウナンハヤナミが2馬身差V 3週連続新馬勝ちの渡辺調教師「期待が持てます」 | 競馬ニュース – netkeiba
数字が物語る「異常な」パフォーマンス
勝ち時計は 2分02秒6。
ここだけを見ると、飛び抜けて速い数字には見えないかもしれない。
しかし、注目すべきはそこではない。
- 上がり4ハロン:45秒8
- 上がり3ハロン:33秒7
- ラスト1ハロン:11秒4
特に衝撃なのは、4ハロン45秒8+ラスト1F11秒4というラップ構成だ。
過去10年で並び立つ名馬たち
過去10年の2歳芝2000m戦で、
- 上がり4F 45秒8以内
- ラスト1F 11秒4以内
この条件を満たした馬は、わずか数頭しか存在しない。
その中に名を連ねるのが――
シルバーステート
ワグネリアン
サトノウィザード
いずれも、後に重賞・GI級で活躍した素質馬ばかりだ。
しかも今回は阪神芝2000m。
この条件に限れば、上がり4F45秒8以内は過去に前例がなく、事実上の最速記録となる。
なぜ「異常」なのか
阪神2000mは、
- スタミナを削られ
- 直線で急坂を越え
- 最後にもう一段の脚が求められる
極めてタフなコースだ。
そこで2歳馬が、
これほど速い4ハロンを刻み、
なおかつラスト1Fを11秒4でまとめる――。
これは「優秀」という言葉では足りない。
明らかに異常な領域と言っていい。

渡辺薫彦調教師という存在
管理するのは、渡辺薫彦調教師。
現役時代は人気ジョッキーとして名を馳せ、
オールドファンには今も強く印象に残る存在だ。
彼が現役時代に乗っていた名馬――
ナリタトップロード
あの名馬のように、
地道に、しかし確実に強さを積み重ねていく。
そんな姿を、このショウナンハヤナミに重ねたファンも少なくないだろう。

来年が待ち遠しくなる一頭
2025年の競馬シーズンは終わりを迎えようとしている。
だが、この一戦があったからこそ、
来年への期待は一層膨らんだ。
派手な前評判はなかった。
しかし、内容と数字がすべてを物語る。
年の瀬に現れた、本物の怪物候補。
ショウナンハヤナミの名前は、来年必ず何度も耳にすることになるだろう。
次走、そしてその先へ――
この馬がどんな物語を描いていくのか、今から楽しみでならない。



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