【序章】伝説の名馬から20年、受け継がれる“青の血”
引退から20年が経った今も、
多くの競馬ファンの心に深く刻まれている名馬がいる。
その名は――ディープインパクト。
比類なき末脚、圧倒的な存在感。
日本競馬の象徴として、彼が残した爪痕はいまも語り継がれている。
そして今週――。
そのディープの血を“直系”で受け継ぐ新たな才能が、京都のターフに姿を現す。
舞台は菊花賞と同じ京都競馬場・荻ステークス。
名は――キッコベッロ。
【第1章】血統が語る“物語”
キッコベッロの父は、欧州の強豪スタディオブマン。
その父こそ、言わずと知れたディープインパクトである。
スタディオブマンは現役時代、
仏ダービー(ジョッケクルブ賞)を制し、
さらに凱旋門賞、ジャックルマロワ賞といった世界の大舞台にも挑戦。
ヨーロッパの名血と日本のスピードを兼ね備えた“世界水準”の血統だ。
そんな血を継ぐキッコベッロの存在には、
単なる「良血馬」という言葉では収まらない独特のオーラがある。
理由は――その毛色にある。
【第2章】わずか1%、奇跡の青毛
彼の馬体を見た者は、誰もが息をのむ。
漆黒に輝くその毛並みは、光の角度によって深い青に染まる。
日本の競走馬において、この青毛(あおげ)は非常に珍しい。
その出現率は、全体のわずか1%以下――。
まさに“奇跡の毛色”だ。
競馬場で青毛の馬体が太陽を反射する姿は、まるで夜明け前の深い空のよう。
その神秘的な輝きは、
血統の強さに加え、ファンの心に特別な印象を残している。
キッコベッロ――彼はその希少な存在そのものが、
「選ばれし者」であることを静かに物語っているのだ。
【第3章】衝撃のデビュー戦
その青き血が初めてターフを駆けたのは、
今年9月、阪神競馬場・芝1800メートルの新馬戦。
スタートは悪くない。
しかし、彼は無理に行かず、自然体で3番手に控えた。
道中では完璧な折り合いを見せ、リズムを崩さない。
そして――直線。
スローモーションのように、
一瞬で“加速”した。
わずか数完歩で前との差を詰め、
そのまま一気に抜け出す。
ラスト3ハロンは33秒6。
2着に2馬身差、その後方には8馬身という圧倒的な着差。
初陣で見せた走りは、誰もが息をのむ内容だった。
まるで――才能そのものが覚醒する瞬間を見たかのよう。
【第4章】数字が物語る“エリートの証”
勝ち時計は1分47秒5。
上がり4ハロン46秒3、自身の末脚は33秒6。
この数値をただの好タイムと片付けることはできない。
2歳戦・芝1800メートルでこの水準を記録した馬を辿ると、
そこには錚々たる名馬の名前が並ぶ。
- クロワデュノール
- チェルヴィニア
- タスティエーラ
- イクイノックス
- コントレイル
- ジュンライトボルト
- マイラプソディ
これらのうち7頭が重賞馬・GⅠ馬へと上り詰めた。
つまり――この数字こそが「才能の証明書」。
キッコベッロもまた、その“エリートの系譜”に連なる存在である。
【第5章】受け継がれる青の血
そして今週――。
日曜京都9R・荻ステークス。
その舞台は、奇しくもディープインパクトが菊花賞を制した聖地・京都。
ターフを照らす秋の陽光の中、
再び“青き血”が動き出す。
漆黒の身体が放つ青い光。
1%しか存在しない、奇跡の毛色。
それはまるで、ディープの魂が再び蘇るかのような輝きだ。
彼が次にどんな走りを見せるのか。
そしてその血が、どんな未来を紡ぐのか。
“青き血を継ぐ者”キッコベッロ。
この名が、やがて日本競馬史に刻まれる瞬間を――
私たちはこれから、目撃するのかもしれない。
【エピローグ】青は、奇跡の色。
キッコベッロの存在は、
血統の価値を超え、“奇跡の象徴”そのものだ。
わずか1%しか存在しない青毛。
ディープの血を継ぐ直系。
そして初戦で示した圧倒的なポテンシャル。
それは偶然ではなく、必然。
時代を超えて受け継がれた“青の血”が、
再び日本の競馬を熱くする――。
青き血を継ぐ者、キッコベッロ。
その物語は、まだ始まったばかりだ。


コメント