怪物確定――。
昨日の阪神で、これからのダート界を大きく騒がせるかもしれない一頭の3歳馬が、圧倒的な走りを見せました。
その名は――
ショウナンバンライ。
この馬については以前、僕のYouTubeチャンネルでも取り上げています。
当時から将来のダート重賞戦線で面白い存在になるのではないかと注目していましたが、今回の走りを見て、その評価をさらに上げなければならないと感じました。
何より衝撃的だったのは「8馬身差」という着差だけではありません。
今回ショウナンバンライが記録した数字を過去のレースと比較してみると、そこには日本ダート界を代表する名馬の名前が浮かび上がってきました。
以前から注目していたショウナンバンライ

僕がショウナンバンライに注目するきっかけとなったのが、今年6月に行われた阪神ダート1800mでの一戦です。
このレースでショウナンバンライは、後続を突き放して5馬身差の圧勝。
単純に着差が大きかったというだけではなく、レース内容にも非常に強いものを感じました。
まだ3歳。
これから成長していく時期でありながら、すでにこれだけのパフォーマンスを見せている。
「順調にいけば、いずれダート重賞戦線でも面白い存在になるのではないか」
そう思わせるだけの走りでした。
しかし、競馬はそう簡単にはいきません。
続いて挑戦したのが重賞のレパードステークス。
ここでショウナンバンライは6着に敗れます。
条件戦で圧倒的なパフォーマンスを見せても、重賞へ上がれば相手のレベルも一気に高くなる。
初めて挑んだ重賞の壁を前に、それまでの勢いは一度止まる形となりました。
ただ――。
この馬の本当の強さは、まだ終わっていませんでした。
むしろ今回の一戦によって、改めてその能力の高さを証明したように思います。
古馬相手の3勝クラスで「8馬身差」
今回ショウナンバンライが出走したのは、阪神ダート1800mで行われた堺ステークス。
3勝クラスの一戦です。
3歳馬だけが相手だったわけではありません。
古馬も出走する条件戦で、ショウナンバンライがどこまで通用するのか。
レパードステークスで6着に敗れていただけに、ここは今後を占う意味でも重要なレースだったと思います。
しかし、そんな心配を吹き飛ばすような走りを見せました。
好位からレースを進め、直線へ。
そこからショウナンバンライと後続との差が、一気に広がっていきます。
最後は完全に一頭だけ違う競馬。
結果は――
2着に8馬身差。
勝ち時計は、
1分51秒5。
3歳馬が古馬も出走する3勝クラスで、これだけの着差をつけて突破する。
もちろん、これだけでも十分にインパクトのある内容です。
ただ、今回僕が本当に驚いたのは、この「8馬身」という数字ではありません。
レースをさらに細かく見ていくと、それ以上に興味深い数字が残されていました。
本当に凄かったのは「上がり35秒7」

今回のレースで注目したのが、ショウナンバンライのラップです。
レースの前半1000mは、
63秒1。
極端なハイペースだったわけではありません。
前半から猛烈に飛ばして後続を消耗させ、そのまま押し切ったというタイプのレースではありませんでした。
ショウナンバンライは前目のポジションでレースを進めながら、最後の直線へ向きます。
そして、ここからが凄かった。
最後の3ハロンは――
35秒7。
芝のレースではありません。
阪神ダート1800mです。
ダートの中距離戦で前目から競馬をしながら、最後に35秒台の脚を繰り出して後続を突き放した。
この数字を見た瞬間、僕は「これは相当珍しいのではないか」と感じました。
そこで今回は、過去のレースを調べてみることにしました。
過去10年間で同条件を満たした馬を調査
今回設定した条件は、以下の2つです。
・ダート1800m、良馬場
・前半1000m63秒1以内
・自身の上がり3ハロン35秒7以内
つまり、今回のショウナンバンライと同等以上のペースを経験しながら、最後に35秒7以内の脚を使った馬が過去にどれだけ存在したのか。
対象期間は過去10年間。
この条件で調べてみました。
すると――。
該当したのは、
わずか一頭。
その馬の名前を見て、さらに驚きました。
その一頭は「クリソベリル」
該当した馬は――
クリソベリル。
ダート競馬を見てきた方なら、この名前だけでその凄さが伝わると思います。
ジャパンダートダービー。
チャンピオンズカップ。
帝王賞。
そしてJBCクラシック。
国内のダートGⅠ・JpnⅠ戦線で数々の大レースを制した、日本を代表するダートホースの一頭です。
特に3歳時から見せていた圧倒的なパフォーマンスは強烈で、古馬になってからもダート界の頂点で活躍しました。
もちろん、ここで誤解してはいけないことがあります。
今回の数字だけをもって、
「ショウナンバンライ=クリソベリル」
と断定することはできません。
競馬場も違えば、相手関係も違う。
レース展開や馬場状態など、競馬にはさまざまな要素があります。
一つの数字だけを切り取って、競走馬の能力そのものが同じだと判断するのは危険です。
しかし、それを踏まえたうえでも――。
今回ショウナンバンライが記録した数字が、過去10年間を振り返っても非常に珍しいものであることは間違いありません。
そして、その条件に該当した馬がクリソベリルだった。
これは、今後を考えるうえで非常に興味深い材料だと思います。
しかも、まだ3歳
さらに重要なのが、ショウナンバンライがまだ3歳馬だということです。
完成された古馬が記録した数字ではありません。
これからさらに成長する可能性を残している3歳の段階で、このパフォーマンスを見せました。
そして今回倒した相手も、同世代だけではありません。
古馬を相手に3勝クラスを――
8馬身差で突破。
6月には5馬身差。
今回は8馬身差。
もちろん、着差だけで馬の能力を判断することはできません。
それでも、条件戦でこれだけ圧倒的な勝ち方を繰り返している以上、次に期待したくなるのは当然でしょう。
これで3勝クラスを突破。
次に待っているのは――
オープンクラスです。
そして、その先には再び「重賞」という舞台があります。
レパードS6着をどう見るか
ここで改めて考えたいのが、レパードステークスでの6着です。
条件戦で圧勝し、重賞へ挑戦。
そこで6着。
その結果だけを見れば、「重賞ではまだ足りなかった」と評価することもできます。
しかし今回、古馬を相手に8馬身差で3勝クラスを突破したことで、その6着の見え方も少し変わってきます。
一度重賞の壁に跳ね返されながら、そこから再び条件戦へ戻り、圧倒的な内容で勝ち上がった。
競走馬にとって敗戦は、必ずしも評価を下げる材料だけではありません。
その敗戦から何を経験し、その後どのような走りを見せるのか。
ショウナンバンライは今回、非常に分かりやすい形で巻き返しました。
5馬身差から、8馬身差へ。
そして、ラップ面では過去10年でクリソベリルしか該当しなかった数字を記録。
そう考えると、次のオープンクラス、そして再度の重賞挑戦が非常に楽しみになってきます。
「怪物候補」から次の段階へ
以前ショウナンバンライを取り上げた時点では、僕の中でもまだ「怪物候補」という位置づけでした。
素晴らしいパフォーマンスを見せている。
しかし、これから相手が強くなったときにどうなるのか。
そこは実際に走ってみなければ分かりません。
そして一度は、レパードステークスで6着。
重賞の壁に跳ね返されました。
しかし――。
その敗戦を経験した3歳馬が、古馬を相手に3勝クラスで8馬身差。
さらに、
前半1000m63秒1以内。
自身の上がり3ハロン35秒7以内。
この条件を過去10年間のダート1800m良馬場で調べると、他に該当したのはクリソベリルのみ。
ここまで来ると、再び重賞で見てみたいと思わせるには十分な内容です。
もちろん、次走で必ず重賞を勝てるという話ではありません。
オープンクラスに上がれば、これまで以上に相手は強くなります。
展開も簡単ではなくなるでしょう。
しかし、だからこそ楽しみです。
次に狙うのは「ダート重賞」

ショウナンバンライ。
一度は重賞の壁に跳ね返された3歳馬が、再び圧倒的なパフォーマンスを見せました。
5馬身差から――8馬身差へ。
そして今回残した数字は、
過去10年、クリソベリルのみ。
この馬はもう、単なる「怪物候補」という言葉だけでは収まらない段階へ入りつつあるのかもしれません。
もちろん、本当の評価が問われるのはこれからです。
条件戦を圧勝することと、重賞を勝つことはまったく別の話。
次はさらに強い相手が待っています。
それでも今回の走りを見る限り、もう一度重賞の舞台でその能力を確かめてみたい。
そう思わせるだけのインパクトがありました。
次に狙うのは――
ダート重賞。
そこで今回のような末脚を見せることができるのか。
そして、かつて同じ条件に名前を残したクリソベリルのように、ダート界の頂点へ向かっていくことができるのか。
ショウナンバンライ。
今後も――
追い続けたい一頭です。

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