今週の日曜、中央競馬は大きな注目を集める一日となる。
関東では3歳クラシックへの登竜門として知られる共同通信杯。
数多くの名馬を送り出してきた出世レースであり、
今年も素質馬たちがその名を刻もうと集結する。
そして関西では、歴戦の古馬が激突する京都記念。
春のGⅠ戦線へ向けて、実力馬の始動戦として見逃せない一戦だ。
――では、ダート路線はどうだろうか?
今週、ダートの重賞は組まれていない。
大舞台は用意されていない。
しかし。
だからと言って、
未来へ繋がる才能が眠っているわけではない。
むしろ、こういう日にこそ
後に振り返った時に「伝説の始まりだった」と語られる
怪物の足跡が刻まれる可能性がある。
日曜京都。
忘れてはならない2頭の“砂の怪物候補”が出走する。
京都4R・3歳1勝クラス

米国産馬ダノンバーボンが圧巻の10馬身差V 松山弘平「強い内容だった」【2歳新馬・京都4R】(東スポ競馬)|dメニューニュース(NTTドコモ)
ダノンバーボン
彼がデビューしたのは昨年10月の京都ダート1800m。
ゲートが開くと迷いなく前へ。
自然とハナへ立ち、隊列を支配する。
道中の手応えは終始楽。
そして直線に向いても脚色は衰えない。
むしろ、そこからが圧巻だった。
後続との差はみるみる広がり、
気がつけば 10馬身差。
まさに能力が違う――
そう言わざるを得ない衝撃的なデビューだった。
勝ち時計は 1分51秒9。
当日は雨の影響で脚抜きの良いコンディションだったとはいえ、
2歳新馬としては破格。
京都ダート1800mの2歳新馬戦において
この時計を上回るのは、あのナルカミただ1頭。
さらに注目すべきはラップだ。
- 4F 48.7以内
- これはナルカミのみが到達した領域
- そして3F 36.1はそのナルカミを上回る
馬場の助けがあったとしても、
2歳という若さを考えれば異常と言っていい数値だ。
時計が示すのはポテンシャルの高さ。
パフォーマンスが示すのは完成度。
この2つを兼ね備えた馬が、
将来大舞台へ進まないはずがない。
今年の3歳ダート王者候補――
そう評する声が出るのも当然だろう。
久々の実戦。
相手も強くなる。
それでもなお、
どんな勝ち方をするのかに期待が集まる。
京都10R・北山ステークス

【京都4R・3歳1勝クラス】断然人気グランドプラージュが2連勝 杉山晴調教師「力のある馬なので良かった」 – UMATOKU | 馬トク
グランドプラージュ
彼に衝撃を受けたのは、前走の天ケ瀬特別だった。
スタート直後に不利。
位置取りは後方。
京都ダート1800mは内前有利。
この時点で多くの馬が終戦を覚悟する。
しかし彼は違った。
道中でリズムを取り戻し、
徐々にポジションを押し上げていく。
そして迎えた直線。
半ばから一気にギアを上げ、
先行勢をまとめて飲み込む。
抜け出した後も脚色は鈍らず、
最後は突き放す形でフィニッシュ。
力でねじ伏せる、完勝だった。
勝ち時計は 1分52秒4。
上がり3Fは 35秒9。
過去10年、京都ダート1800m(良)で
- 勝ち時計1分52秒4以内
- 上がり3F 35秒9以内
この両方を満たした馬は限られている。
そこに並ぶ名前は――
ルヴァンスレーヴ
クリソベリル
インティ
アウトレンジ
該当馬の大半が重賞級、あるいはそれ以上。
つまりこの水準は、
将来のトップクラスの入口 である可能性が高い。
しかもグランドプラージュは
序盤の不利を受けながらこの時計を叩き出した。
スムーズならどうなっていたのか。
想像するだけで震える。
ここを突破すれば、
重賞戦線が一気に視界へ入ってくるだろう。
芝だけが未来ではない
今週は芝で大きなレースが行われる。
クラシックの主役候補たちが脚光を浴びる。
だが、競馬の歴史を振り返れば、
世界へ羽ばたいた名馬は芝からだけ生まれたわけではない。
日本のダート馬は、すでに世界と渡り合う存在だ。
そしてもしかすると。
この日曜京都のターフではなく、
砂の上から。
未来の世界的ホースが誕生する瞬間を
我々は目撃するのかもしれない。
芝の陰で動き出す、砂の怪物。
ダノンバーボン。
グランドプラージュ。
彼らの走りを、どうか見逃さないでほしい。

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