【共同通信杯】2強では終わらない。牙城を崩す3頭

競馬予想

今週、クラシック戦線を占う極めて重要な一戦が幕を開ける。
舞台は東京、若き才能が激突する登竜門――共同通信杯だ。

過去を振り返れば、このレースを経て頂点へと駆け上がった名馬は枚挙にいとまがない。皐月賞、日本ダービー、さらにはその先のG1戦線で主役を担う存在が、ここから誕生してきた。言い換えれば、共同通信杯とは「未来の王者決定戦」。その表現は決して誇張ではない。

今年もまた、世代を代表する可能性を秘めた素質馬たちが顔を揃えた。
中でも大きな注目を浴びているのが、1勝馬ながら既にG1級の時計を叩き出しているラヴェニュー、そして2歳王者として堂々の参戦となるロブチェンの2頭である。

戦績、インパクト、話題性。どれを取っても世代トップクラス。
世間の見方は「2強対決」。それはごく自然な流れだろう。

しかし、本当にそう簡単に決まってしまうのだろうか。

競馬は比較のスポーツであり、同時に成長のスポーツでもある。
わずか数か月の間に、能力の序列が一変することは決して珍しくない。特に3歳初期は、馬の完成度や条件一つで着順が入れ替わる最も難しい時期だ。

ならば、王者候補に土を付ける存在が現れても何ら不思議ではない。

今回はその牙城を崩す可能性を秘めた3頭にスポットを当てていきたい。


サトノヴァンクル

サトノヴァンクル (Satono Vaincre) | 競走馬データ – netkeiba

まず1頭目は想定7番人気、サトノヴァンクル

デビューは昨年11月、東京芝1600m。
スタートでやや後手を踏み、道中は後方寄りのポジション。決して楽な形ではなかった。

それでも直線に向くと、外へ持ち出されるや否や一気にギアが上がる。
先に抜け出していたイトシサを目標に、見る見る差を詰め、ゴール寸前できっちりと捕らえた。

ラスト200mの伸びはまさに電光石火。
着差こそ僅かでも、内容的には完勝と言っていい競馬だった。

勝ち時計自体は稍重馬場の影響もあり目立つ数字ではない。
だが、本当に注目すべきはラスト2ハロン21秒8という強烈な加速だ。

過去10年、2歳の東京1600mでこの水準に到達した馬はわずか。
イミグラントソング、ノーブルロジャー、アクアミラビリス。
そしてその多くが後に重賞戦線で主役級の走りを見せている。

しかも彼らは良馬場での記録。
時計を要するコンディションで同等の数字を叩き出したサトノヴァンクルの価値は、むしろそれ以上とさえ考えられる。

折り合いに不安はなく、走りからは距離延長も歓迎と映る。
キャリア1戦でこの舞台にぶつけてくるあたり、陣営の期待の高さも相当なものだろう。

人気の盲点になり得る、未完の大器。
波乱を起こすならこの馬かもしれない。


リアライズシリウス

リアライズシリウス (Realize Sirius) | 競走馬データ – netkeiba

続いては想定3番人気、リアライズシリウス

前走の朝日杯フューチュリティステークスでは敗戦を喫し、評価をやや落とす形となった。
だが、それだけで見限るのはあまりにも早計だ。

この馬の真価は、むしろ左回り、小頭数といった条件でこそ発揮される可能性が高い。

特筆すべきは新潟2歳ステークスで記録したパフォーマンス。
勝ち時計、そしてラップは世代上位どころか歴代比較でも際立つレベルにある。

過去10年、2歳マイルで勝ち時計1分33秒4以内、かつ終い4ハロン45秒6以内という厳しい条件を満たしたのは、G1戦線で主役を張った馬たちのみだ。

つまり数字が示すのは「G1級の裏付け」。

大型馬ゆえに多頭数では捌きに苦労する面もあるが、頭数が落ち着けば話は変わる。
スムーズな進路、リズム良く運べる展開、そして外目の枠順。条件が整えば一変まで十分だ。

人気が下がる今回こそ、妙味が生まれるタイミングかもしれない。


サノノグレーター

【葉牡丹賞結果】サノノグレーターが2歳JRAレコードで完勝 | 競馬ニュース – netkeiba

そして3頭目は想定6番人気、サノノグレーター

2歳時にコースレコードを叩き出したスピード能力は疑いようがない。
だが、真に評価すべきは前走の葉牡丹賞での勝ち方だろう。

時計が優秀なのはもちろんのこと、目を引くのは2着との差。
3馬身という決定的な開きは、単なる展開利では説明できない。

過去10年、このレースで2着に1馬身以上の差をつけた馬を並べると、後のG1馬や重賞常連がずらりと並ぶ。
ここは出世レースへの扉と言ってもいい。

さらに新馬戦では、前が止まりにくい流れを後方から差し切っており、展開不問の強さも証明済み。
距離延長によってパフォーマンスを引き上げた点も好感が持てる。

相手強化は承知の上。
それでも軽視すれば痛い目を見る、そんなタイプの一頭だ。


ラヴェニュー、ロブチェンという2枚看板は確かに強力だ。
しかし挑戦者たちもまた、数字と内容の両面から“本物”の匂いを漂わせている。

共同通信杯の歴史を振り返れば、ここをきっかけに飛躍した馬ばかり。
ならば今年も、この中から必ずG1馬が誕生すると考えるのが自然だろう。

王者候補が力でねじ伏せるのか。
それとも新たな才能が歴史の扉をこじ開けるのか。

未来へと続く道標となる一戦。
その結末を、固唾をのんで見届けたい。

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