
【フェアリーS】エリカエクスプレスがレースレコードで完勝 歴代勝ち馬は桜花賞苦戦も魅せた〝違い〟 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬
今週日曜、中山競馬場で行われるフェアリーステークス。
今年で42回目を迎える、3歳牝馬による伝統の重賞である。
このレースからは、数多くの名牝が誕生してきた。
のちにG1戦線を賑わせ、日本競馬史にその名を刻んだ馬も少なくない。
クラシックへ向かう重要なステップレースであり、毎年「次代の主役候補」が姿を現す舞台だ。
舞台は中山芝1600m。
競馬ファンであれば誰もが知る通り、非常にクセのあるコースである。
スタートから最初のコーナーまでの距離が短く、
さらに最後の直線は約310mと、JRAの中でも屈指の短さ。
そのため基本的な傾向としては、逃げ・先行馬が圧倒的に有利とされている。

実際、過去10年のフェアリーステークスを振り返っても、
4角5番手以内の馬が馬券圏内を独占する年は珍しくない。
後方一気の競馬が決まるケースは極めて少なく、
「差し・追い込みは届かない」というのが、この舞台の“常識”だ。
──しかし。
競馬とは、常に例外が存在するスポーツでもある。
そして今回、その“例外”になり得る存在が、確かにここにいる。
想定1番人気・ギリ―ズボール

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今回、私が注目したいのは想定1番人気に推されているギリ―ズボールだ。
脚質的には後方待機が濃厚。
展開だけを見れば、決して楽な立場ではない。
むしろフェアリーSの傾向を考えれば、真っ先に嫌われるタイプと言ってもいい。
それでも、なおこの馬を推したくなる理由がある。
それは、彼女のデビュー戦の内容に他ならない。
デビュー戦から“普通ではなかった”一戦
ギリ―ズボールがデビューしたのは、昨年9月の中山競馬場。
舞台は同じく芝1600mだった。
スタートは決して良いものではなかった。
ゲートを出てすぐに後方へ置かれ、さらにスタート直後には接触。
序盤から全くスムーズな競馬ができなかった。
不運はそれだけでは終わらない。
2コーナーでは内外から挟まれる形となり、
そこでポジションを下げる不利を受けてしまう。
序盤から2度の明確な不利。
しかもキャリア1戦目の2歳馬である。
普通であれば、ここで競馬は終わってしまう。
気持ちをなくし、ただ流れ込むだけの競馬になっても不思議ではない。
しかし、ギリ―ズボールは違った。
不利を跳ね返した、異次元の末脚
終始、外を回らされながらの追走。
コースロスは明らかで、決して脚を溜められる展開ではなかった。
それでも、直線に向くと一変する。

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溜めていた脚を一気に解き放ち、
まるで別のレースをしているかのような加速。
残り1ハロンで見せた末脚は、10秒8。
瞬時に前を行く馬たちを飲み込み、
不利を受け続けたとは思えないほどの切れ味で差し切った。
着差だけを見れば派手ではない。
勝ち時計も決して目立つものではない。
しかし、内容を見れば話は別だ。
2度の不利。
終始大外。
脚を溜められない展開。
それでも最後にこの脚を使ったという事実。
これは、着差以上に高く評価すべき一戦だった。
「10秒8」が持つ、特別な意味
そして、このレースで最も注目すべき点が、
ラスト1ハロン「10秒8」という数字だ。
過去10年の2歳1600m戦において、
最後の1ハロンで10秒8以内を記録した馬は、ほんの一握りしか存在しない。
ファンダム
ナミュール
シックスペンス
名を挙げるだけで、そのレベルの高さが分かるだろう。
該当馬5頭のうち、実に3頭がその後重賞を制している。
つまり、この数字は単なる“速い上がり”ではない。
将来性を強く示唆する、選ばれた馬だけが到達できる領域なのだ。
時計、内容、精神力。
そのすべてが揃って初めて記録できる数字である。
中山の直線が、すべてを物語る
内前有利とされる中山1600m。
フェアリーステークスという舞台も、その例外ではない。
それでも私は、この馬の豪脚に賭けたい。
なぜなら──
中山の短い直線は、確かに差し馬に厳しい。
しかし同時に、本物の末脚を持つ馬だけが輝ける場所でもあるからだ。
不利を受けても折れない精神力。
展開に左右されない絶対的な切れ味。
そして、数字が裏付ける非凡な能力。
その答えは、すでに示されている。
中山の直線にこそ、ギリ―ズボールの真価がある。
フェアリーステークス。
常識を覆す一頭が、ここから歴史を動かすかもしれない。



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