今年の日本ダービー馬を予想するこの企画。
これまでにグリーンエナジー、ロブチェンという素質馬を挙げてきたが、最後にどうしても触れずにはいられない存在がいる。
それが――
ディープインパクトと同じ勝負服を纏う、あの馬。
栗東・池江泰寿厩舎
イベントホライゾン
この馬こそ、今年のダービー候補の中でも“別格”の香りを漂わせる存在だ。

デビュー前から規格外だった存在
イベントホライゾンがデビューしたのは、今年12月の中京競馬場。
だが、この馬はデビュー以前からすでに競馬ファンの間で話題になっていた。
理由はただ一つ。
血統が、あまりにも凄すぎる。

兄には、日英でG1を制した名牝ディアドラ。
さらに、きさらぎ賞を制したフリームファクシ。
血統を遡れば、2009年の日本ダービー馬ロジユニヴァース、そして短距離女王ソングラインへと繋がる、日本競馬屈指の名牝系だ。
いわば――
名馬しか存在しない一族。
当然、セールでも注目は集中し、落札額は約3億1000万円。
価格だけを見れば派手だが、それ以上に「なぜここまでの評価を受けたのか」を考えると、この馬が秘めているポテンシャルの大きさが見えてくる。
初戦から見せた“只者ではない競馬”

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迎えたデビュー戦。
スタートはスムーズで、無理にポジションを取りに行くこともなく、中団でじっと我慢する競馬。
2歳馬のデビュー戦としては、極めて落ち着いた内容だった。
向こう正面から徐々に進出し、3コーナー手前ではすでに射程圏。
直線に向くと、追い出されるや否や一気に加速。
後続を突き放し、2着馬に2馬身差をつける完勝劇を演じた。
内容もさることながら、数字が衝撃的だった。
記録が示す“怪物級”の可能性
勝ち時計は 2分01秒4。
さらに注目すべきはラップだ。
・4ハロン:46秒0
・2ハロン:22秒0
2歳馬の2000m戦としては、文句なしの加速ラップである。
過去10年を振り返っても、
「2歳・2000m戦・勝ち時計2分01秒台」
「4F 46秒0以内・2F 22秒2以内」
この条件をすべて満たした馬は、シルバーステートただ一頭。

あのシルバーステートは
『故障さえなければG1確実』
と言われ続けた怪物だった。
イベントホライゾンは、その領域に初戦から並んだのである。
なぜ“2000mデビュー”は重要なのか
ここで少し補足しておきたい。
日本の競馬番組を見渡すと、
2000m~2400mの距離帯には、賞金の高いレースが数多く設定されている。
つまり、クラシックを本気で狙う陣営は、まずこの距離を目標に馬を育てていく。
しかし――
調教段階で「能力が足りない」「距離が持たない」と判断された馬は、
ダート路線やマイル、スプリント路線へと振り分けられていく。
その中で、
2000mでデビューできる
なおかつ優秀な時計で勝ち切る
これは、選別をくぐり抜けた“エリート中のエリート”である可能性が極めて高い。
イベントホライゾンは、その条件を初戦で完璧に満たしてみせた。
関係者の期待が示す次なる一手
そのイベントホライゾンは、
1月の若駒ステークスへの出走が予定されている。
西の伝統あるクラシック前哨戦に、迷いなく送り込まれるあたり、
陣営の期待の大きさは明白だ。
無理に路線を外すことなく、
王道を堂々と歩ませる――
それは「この馬は通用する」という確信があるからこそできる判断だろう。
今年のダービーへ向けて
もちろん、競馬に絶対はない。
成長曲線、体質、故障リスク――
すべてをクリアして初めてダービーの舞台に立てる。
だが、
血統・価格・厩舎・内容・数字
そのすべてが揃った馬は、そう簡単には見つからない。
イベントホライゾンは、
そのすべてを兼ね備えた、数少ない存在だ。
今年の日本ダービーを語るうえで、
この馬の名前を外すことはできない。
ぜひ、今後の一戦一戦を注視してほしい。
――今年のダービー馬候補、その最右翼として。



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