コッツォリーノ ― 中山で打ち立てられた“前人未踏の記録”

今後に注目すべき馬

序章 ― 歴史が動いた瞬間

――先週の日曜。
秋の空が澄み渡る中山競馬場で、一頭の若駒が歴史を塗り替えた。

その名は――コッツォリーノ

(2) Xユーザーの人間🐔さん: 「2歳未勝利 コッツォリーノ 横山典弘騎手 逃げて直線余力あった感じでした✨ ラスト2~1F付近があまり失速して無かった、今後がたのしみです✨ 横山典弘騎手が勝つのを見ると嬉しいです。 https://t.co/mF5AztoNnn」 / X

舞台は中山3R、芝2000メートルの未勝利戦。
キャリアわずか2戦目の2歳馬が見せた走りは、後々まで語り継がれることになるだろう。

スタートの合図とともに飛び出すと、鋭い反応で先手を主張。
スッとハナを奪い、道中は緩めのラップへ落とし込む。
一見すると楽をしているかのように見えたが、それは全て計算されたもの。
速い馬場を完全に支配し、リズムを刻んでいく。

そして直線。
軽く仕掛けられると、後続を寄せつけずに突き放した。
鞍上がゴールを意識したのは最後の数完歩だけ。
余力を残しながら、まるで「ここは自分の舞台だ」と言わんばかりの走りで、悠々と未勝利を突破した。


驚異のラップタイムと“前人未踏”の記録

このレースの勝ち時計は 2分00秒7
上がりは 4ハロン46秒1、3ハロン33秒9

数字だけを見ると、「速い」という感覚は伝わるかもしれない。
だが、競馬の歴史を紐解くと、その意味はさらに深まる。

実は――。
中山競馬場において、
**「2分01秒0以内」「4F46秒1以内」**という条件を、同時に満たした2歳馬は歴史上一頭も存在しなかった。

(2) Xユーザーの人間🐔さん: 「2歳未勝利 コッツォリーノ 横山典弘騎手 逃げて直線余力あった感じでした✨ ラスト2~1F付近があまり失速して無かった、今後がたのしみです✨ 横山典弘騎手が勝つのを見ると嬉しいです。 https://t.co/mF5AztoNnn」 / X

中山は直線に急坂を抱えるタフなコース。
高速決着が出やすい東京や京都とは性質が異なり、時計の出やすさでは比較対象にならない。
その舞台で“史上初”の数字を叩き出したことこそ、コッツォリーノの偉業なのだ。

さらに視野を広げて、全国の競馬場を見渡しても、この条件を達成した馬は わずか6頭しかいない。
その中には――
皐月賞馬の ミュージアムマイル
一昨年の菊花賞馬 ドゥレッツァ
いずれもクラシックを制した名馬たちである。

つまり、コッツォリーノが刻んだ数字は、名馬たちと肩を並べるもの。
この事実こそが、彼を“怪物候補”と呼ぶにふさわしい理由である。


血統に宿る才能 ― 父シルバーステートの可能性

偉大な記録の背景には、確かな血統がある。

コッツォリーノの父は シルバーステート
現役時代はケガに泣かされ、GI戦線を駆け抜けることは叶わなかったが、その才能は関係者の誰もが認めたものだった。
わずかな出走機会の中でも見せた切れ味と完成度の高さは、競馬ファンの間で“幻の名馬”と語り継がれている。

種牡馬として送り出された産駒は、既に重賞戦線で続々と頭角を現しており、父の無念を晴らすかのように輝きを放っている。
シルバーステートの産駒はしなやかなスピードと持続力を武器にするタイプが多く、コッツォリーノにもその特性が色濃く表れている。

母は シンジュボシ
現役時代に短距離戦を中心にJRAで4勝を挙げた快速牝馬である。
母系に流れるスピードの血が、父の持続力と合わさったことで、2000メートルという距離でも圧倒的な強さを発揮したと考えられる。


新馬戦から見えた資質

コッツォリーノは9月7日、中山芝1800メートルの新馬戦でデビュー。
結果は3着に敗れたが、内容は勝ちに等しいものだった。

道中は折り合いを欠くことなくスムーズに進め、最後の直線では 上がり最速33秒7を記録。
しかしポジション取りの差が響き、前を捉えきれずの3着。
脚を余した印象が強く、「次走は必ず勝ち上がる」と多くのファンや関係者が感じたはずだ。

その期待に応えるかのように、2戦目であっさりと結果を出した。
しかも、それは単なる勝利ではなく、歴史を動かす衝撃の勝利だった。


中山という舞台の意味

ここで改めて、中山という舞台の特性を振り返りたい。

中山芝2000メートルはスタートから上り坂が続き、コーナーもタイト。
さらに直線には急坂が待ち受け、パワーと持続力を要求される。
時計がかかりやすい条件で、軽快なスピードだけでは押し切れない。

その舞台で、2歳の段階で 2分00秒台前半の時計を叩き出した意義は極めて大きい。
単なるスピード馬ではなく、スタミナとパワーも兼ね備えていることを証明したからだ。

このコースでこれだけのパフォーマンスを示せる馬は、将来のクラシック戦線でも必ず注目される存在となる。


今後の展望 ― 伝説の序章

コッツォリーノは、まだキャリア2戦目を終えたばかり。
だが、その走りは多くのファンに強烈な印象を残した。

数字の裏付けが示すように、彼は既に歴代の名馬と比較できる領域に足を踏み入れている。
しかも、今回は余力を残した勝利。
「まだ底を見せていない」という事実が、さらなる期待を抱かせる。

今後のローテーションはまだ未定だが、距離適性や舞台適性を考えれば、ホープフルステークスや来春の皐月賞といった大舞台を意識せざるを得ない。
そのための前哨戦にどのレースを選ぶのか。
陣営の判断にも注目が集まる。


結び ― 無限に広がる可能性

中山で前人未踏の記録を叩き出したコッツォリーノ。
その名は、既に競馬ファンの記憶に深く刻まれた。

だが、この走りはあくまでも序章にすぎない。
未来へと続く道の先で、彼はどんな伝説を描いてゆくのか。

――コッツォリーノ。
その可能性は、無限に広がっている。

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