【衝撃の法則】大柄な馬は将来大物になる? 芙蓉ステークスに登場する新星・ロックターミガンとは

競馬予想

競走馬にとって「馬体」とは何か

競馬を語る上で、スピードやスタミナと同じように重要な要素がある。
それが――「馬体」だ。

人間でも体格が大きければパワーや持久力に優れる傾向があるように、競走馬においても馬体の大きさはしばしば能力に直結する。もちろん「小柄だから走れない」というわけではないが、大柄な馬体を持つ競走馬は、レースでその体格を武器に変えることができる。

馬格が大きい馬は、ダイナミックなフットワークを可能にし、長いストライドで効率良くスピードを持続できる。そのため一流馬として大成するケースが少なくない。

実際、歴史を振り返ると「巨漢」と呼ばれるような馬体を持ちながら大レースで活躍した名馬は数多い。


巨漢馬たちの系譜

まず記憶に新しいのは、2025年春の天皇賞で3着に入ったショウナンラプンタだろう。
彼の馬体重は540kg台。迫力ある巨体で挑んだ長距離戦で堂々の好走を果たした。

ダート路線に目を向ければ、600kgを超える超弩級の馬体を誇るドンフランキーがいる。
彼はその規格外のパワーでダート重賞を3勝し、まさに「巨漢=強さ」を体現した存在だ。

さらに近代競馬の象徴ともいえる名馬、キタサンブラックも忘れてはならない。
デビュー時の馬体重は510kg、引退レースでは540kgに達し、GⅠ7勝を挙げた日本競馬の英雄となった。

このように「馬体の大きさ」が出世に結びついた例は枚挙にいとまがない。
大柄な馬は、身体の使い方さえ覚えれば、トップホースへの階段を一気に駆け上がる可能性を秘めているのだ。


新星・ロックターミガンの登場

そして今――。
そんな「巨体の法則」を体現するかのような一頭が登場する。

明日、中山競馬場で行われる9R・芙蓉ステークス。
その舞台に送り出されるのが、栗東・石坂公一厩舎の管理馬――ロックターミガンだ。

Xユーザーのあげ🌸さん: 「巨漢の進軍 #ロックターミガン https://t.co/BFvjToiumu」 / X

父の名に由来し、“雷鳥(らいちょう)”の意味を持つこの牡馬。
通算成績は1戦1勝。
デビュー戦での馬体重は534kg。
2歳としてはかなり大きな部類に入り、その体格から繰り出される走りはダイナミックそのものだ。


デビュー戦を振り返る

ロックターミガンが初めてターフに姿を現したのは、7月27日の中京芝2000m・新馬戦。

スタート直後は中団につけ、道中じわじわと進出。
そして迎えた直線――。
持ち前の大きなストライドを生かし、力強く抜け出すと、最後は3馬身差をつけて堂々のゴール。

鮮烈なデビュー勝ちで、その存在感を一気に競馬ファンへ知らしめた。


デビュー戦の評価と課題

もちろん完璧な内容だったわけではない。
レースを振り返ると、終始大外を回るロスがあり、特にコーナーでは大きな馬体が災いしてスムーズさを欠いた。
加速にも時間がかかり、瞬時にトップスピードへ乗れなかった点は課題として残る。

しかし、その不利をはねのけて勝ち切ったのがロックターミガンの底力だ。
一度スピードに乗った時の伸びは圧巻で、他馬を力でねじ伏せる姿は「巨漢馬」の真骨頂ともいえるものだった。

記録にも注目したい。
勝ち時計は2分01秒5。
過去10年の中京芝2000m・2歳戦で、2分01秒5以内のタイムを出した馬はわずか19頭しかいない。
しかもその多くは経験を積んだ未勝利戦でのもの。
新馬戦に限れば、歴代2位という好記録である。

条件面も決して楽ではなかった。
内有利の展開でありながら、大外一辺倒で走るロス。
それでも残した時計は、まさに「優秀」のひと言に尽きる。


巨体が生み出す可能性

534kgという規格外の馬格。
そこから生まれる大きな完歩と、ダイナミックな走り。

ロックターミガンはまだキャリア1戦の2歳馬に過ぎない。
それでも、この巨体を自在に使いこなすことを覚えれば――。
彼は間違いなく、超一流への扉を開くだろう。

大柄な馬体は諸刃の剣でもある。
扱いを誤ればスピードに乗り切れず、器用さに欠ける弱点となる。
だがそれを武器へと変えた時、他馬を寄せ付けない“圧倒的存在感”を示すのだ。


芙蓉ステークスで試されるもの

明日の芙蓉ステークスは、そんなロックターミガンにとって「第二章」の幕開けとなる一戦だ。
ここでどのような走りを見せるのか。
再び圧巻のパフォーマンスを披露するのか、それとも課題が顔を出すのか。

2歳秋は、クラシックへ向けて素質馬が次々に頭角を現す重要な時期。
ここを勝ち抜けば、ロックターミガンはクラシック候補の一角として名乗りを上げることになるだろう。

競馬ファンにとって、この芙蓉ステークスは決して見逃せない一戦だ。


まとめ

競走馬にとって「大きな馬体」は大きな武器となる。
ショウナンラプンタ、ドンフランキー、そしてキタサンブラック――。
巨漢馬は競馬史において幾度となく主役を務めてきた。

そして今、ロックターミガンという新たな巨漢馬がターフに現れた。
534kgの馬格を誇る2歳馬が、果たしてどこまで大きく羽ばたくのか。

芙蓉ステークスでその走りを見届けたい。

――注目すべきは、その“巨体”が生み出す新たな物語だ。

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