飛燕のごとき末脚――カラペルソナが見せた衝撃の走り

今後に注目すべき馬

2024年8月30日、中京競馬場。
第1レースの2歳未勝利戦で、一頭の牝馬が鮮烈な印象を残した。
その名は――カラペルソナ
斉藤崇史厩舎、栗東所属の新星である。

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大外枠からのスタート、そして直線の衝撃

この日カラペルソナが与えたインパクトは、単なる「勝利」という言葉では語り尽くせない。
大外枠からゲートを出ると、スタートは五分。道中は中団の外目を追走し、緩やかな流れのなかでやや口向きの難しさを見せたが、鞍上の手応えは決して悪くはなかった。

そして迎えた直線。
溜めた力を一気に解き放つと、その走りはまさに飛燕のごとし。

ラスト3ハロンは、11秒6 ― 11秒0 ― 11秒0。
驚くべき加速ラップを刻み、外から力強く抜け出した。
最後は後続に1馬身3/4の差をつけ、堂々たる勝利を飾ったのである。

勝ち時計は2分00秒5。
この数字が、彼女の走りの価値をさらに高めている。

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データが示す異能の末脚

過去10年、中京2000メートルの2歳戦で「2分01秒以内の勝利、かつ上がり33秒台」という条件を満たした馬は、わずか二頭しかいない。

一頭は重賞馬ファントムシーフ。
もう一頭は、先日デビュー戦で注目を集めたローベルクランツ。

しかし今回のカラペルソナは、そのローベルクランツをも凌駕した。
勝ち時計で0.2秒速く、上がりも0.8秒速い。
数字が示す通り、完成度の面ではすでに世代屈指の水準に達しているといっていいだろう。


良血の裏付け――父エピファネイア、母カリーナミア

血統背景も魅力にあふれている。
父は皐月賞とジャパンカップを制したエピファネイア。
産駒からはデアリングタクト、エフフォーリアなど、時代を彩る名馬が続出している。

母カリーナミアはアメリカのダート重賞で3勝を挙げた実力馬。
芝・ダート双方に適性を示す可能性が高く、今後の路線選択の幅広さを感じさせる。

カラペルソナはまさに「良血の申し子」であり、走りの裏付けは血統面からも明らかだ。

カラペルソナ (Cara Persona) | 競走馬データ – netkeiba


忘れてはならない“精神力”

だが、カラペルソナの真価は血統やラップだけでは語れない。
それを示したのがデビュー戦である。

直線で前の馬と接触し、大きく躓くという致命的なロス。落馬寸前のアクシデントで、普通ならそのまま大きく敗れてもおかしくなかった。
しかし彼女はそこから再び脚を伸ばし、5着に踏ん張った。

一度後退しながら、もう一度伸びる。
しかも牝馬でこの芸当をやってのけるのは稀だ。
この経験が、2戦目の堂々たる勝利へとつながったことは間違いないだろう。

精神力の強さ――これこそが、カラペルソナをただの「速い馬」以上の存在にしている。


今後への展望――距離適性と舞台

2戦目での勝利は決して偶然ではなく、むしろ資質の証明だった。
今後はどのような路線を歩むのか、ファンの期待は膨らむばかりだ。

直線の長いコースでその末脚をもう一度見たい。
距離は1800メートルがベストかもしれないが、マイルへの対応力も十分にあるはずだ。
舞台を問わず、上のクラスで活躍する可能性を大いに秘めている。


もう一頭の注目馬――アストロレガシー

今回の勝利を受けて評価を上げた馬がもう一頭いる。
それは新馬戦でカラペルソナを破ったアストロレガシーである。

接触による不利があったとはいえ、カラペルソナに土をつけた唯一の存在。
この世代を語るうえで欠かせないライバル関係となるかもしれない。
両者が再び激突する日を、競馬ファンなら誰もが待ち望むことだろう。


終わりに――飛燕のように

タフな精神力、しなやかで鋭い末脚。
カラペルソナの走りは、まさに「飛燕」の名がふさわしい。

その姿は観る者を魅了し、期待を抱かせる。
これからどのような物語を描いていくのか。
我々はただ、その瞬間を待つしかない。

新たな伝説が、いま始まろうとしている。


📌 まとめ

  • 中京2000mで異次元のラップを記録
  • 父エピファネイア×母カリーナミアの良血背景
  • デビュー戦の不利を克服した強靭な精神力
  • 今後は1800mやマイルでさらなる飛躍に期待

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