米国の名馬がまさかの噛みつきで敗れる…競馬史に残る珍事件

競馬予想

サラトガの夏に起きた衝撃のシーン

2021年8月28日、アメリカ・ニューヨーク州にあるサラトガ競馬場。
夏の風物詩として知られるこの競馬場で、伝統あるG1レース「フォアゴーステークス(Forego Stakes)」が行われました。

スプリント戦線を代表する強豪たちが顔を揃え、観客の熱気は最高潮。
レースは最後の直線を迎え、まさに歴史に残る激闘が繰り広げられようとしていました。

しかし、この日待っていたのは、単なる名勝負ではありません。
競馬史に残る“珍事件” だったのです。


主役はアメリカの快速馬フィレンツェファイア

事件の中心にいたのは フィレンツェファイア(Firenze Fire)
2017年のデビュー以来、アメリカ短距離界で名を馳せ、G1「ジャイプステークス」をはじめ重賞を数々制覇。
その勝負根性と爆発的な末脚から、多くのファンに愛された名馬です。

父は ポセイドンズウォリアー、祖父は名スプリンターの スパイツタウン
スピード血統を受け継ぎ、米国競馬を代表するスプリンターの一頭に成長しました。

対戦相手の ヤウポン(Yaupon) は4歳の新鋭。
こちらもスピード自慢で、この年のフォアゴーステークスはまさに両雄の一騎打ちになると予想されていました。


レースは激しい叩き合いに

レースはスタートから激しい流れ。
最後の直線に入ると、観客の視線は完全に フィレンツェファイア vs ヤウポン に釘付けになります。

どちらも譲らない。
一完歩ごとにリードが入れ替わり、馬体を合わせながらの壮絶な叩き合い。
サラトガのスタンドは大歓声に包まれ、実況アナウンサーも声を張り上げます。

その瞬間――事件は起こりました。


噛みつき事件、発生!

なんと フィレンツェファイアが隣を走るヤウポンに突然噛みつきにいった のです。

ガブリッ!

観客席からも「オオーッ!」と悲鳴とも笑いともつかぬ声が響きます。
騎手は必死に手綱を抑え込み、馬を立て直そうとしますが、その一瞬のロスが致命的でした。

結局、勝負はヤウポンに軍配。
フィレンツェファイアは力尽き、惜しくも敗れてしまったのです。


ファンもメディアも騒然

当然、このレースは全米で大きな話題となりました。

人間ならば間違いなくレッドカード退場。
その光景はまるで、サッカーで相手に噛みついた ルイス・スアレス、あるいはボクシングで耳を噛んだ マイク・タイソン を思い起こさせました。

「競馬史に残る珍事件」
「信じられない光景」

メディアは大きく取り上げ、SNSでも一瞬で拡散。
しかし同時に、ファンの間ではこんな声も上がったのです。

「最後まで勝負を諦めなかった姿勢に胸を打たれた」
「噛みつきさえなければ勝っていたはず」

そう、あの行為を“反則”と笑い飛ばすだけではなく、フィレンツェファイアの負けん気の強さ を評価する声が少なくなかったのです。


彼が名馬と呼ばれる理由

普通なら脚が止まってしまう直線の激闘。
それでもフィレンツェファイアは、最後まで勝利を諦めませんでした。

噛みついてでも前に出ようとする執念。
その姿は、良くも悪くも「勝負師」の魂そのものでした。

もちろん、不正はダメ。
相手に迷惑をかける行為は許されるものではありません。
しかし――彼が最後まで闘志を燃やしていたことは、間違いなく名馬の証でした。


そして日本へ

その年の秋、フィレンツェファイアはアメリカでのキャリアを終え、引退。
2022年からは日本・北海道にある アロースタッド で種牡馬入りを果たしました。

種付け料は受胎条件で 150万円
父系はスパイツタウン、母系もスピード豊富で、日本の競馬にも十分適応できると見られています。

ファンの間ではこんな期待も囁かれました。
「噛みつき精神、子どもたちに遺伝するのかな?」
「勝負を諦めない産駒が出てくるはず」

もしかすると数年後、日本の競馬場で 「絶対に負けん気を見せる産駒」 が活躍するかもしれません。
それが、たとえ少し“ヤンチャすぎる”性格だったとしても…。


笑いと感動を残した一戦

フィレンツェファイアのフォアゴーステークスは、ただの敗戦ではありませんでした。

・珍事件として語り継がれる「噛みつきシーン」
・しかし同時に伝わる「勝ちたい」という強烈な意志
・そして、引退後に日本で第二のキャリアを歩む運命

まさに「笑えて、でもちょっと胸を熱くさせる」一戦。

悪いことをすれば負けてしまう。
けれど、最後まで勝ちにこだわる心意気は人々の記憶に刻まれる。

──2021年夏、サラトガの芝に刻まれたこの事件は、今なお語り草となっています。
そしてその血を受け継ぐ産駒が、日本競馬に新たな物語をもたらす日を、多くのファンが心待ちにしているのです。


まとめ

・2021年のフォアゴーステークスで起きた「噛みつき事件」は競馬史に残る珍事。
・主役のフィレンツェファイアは、その勝負根性で多くのファンに愛された名馬。
・引退後は日本で種牡馬入りし、未来の産駒に期待が寄せられている。

笑いと感動を同時に残したあの瞬間。
フィレンツェファイアの名は、決して忘れられることはないでしょう。

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